kyoの今日を楽しく☆

趣味の陶芸・食べ歩き・映画鑑賞などを通じて毎日を楽しく充実して過ごせたらと思っています!

「サヨナライツカ」

2010年01月27日 23時40分45秒 | 映画
観たいと思っていた映画「サヨナライツカ」を観に行ってきた。

主演として中山美穂が12年ぶりの女優復帰を果たしたこと・
原作者は、彼女の夫の辻仁成であることでも
話題の作品。

そして、メガホンを取ったのは意外にも
韓国のイ・ジェハン監督!
彼が監督した作品「私の頭の中の消しゴム」が
かなり感動的だったので、今回も期待☆

ストーリーは・・・
1975年、タイ:バンコク
航空会社に勤務するエリートビジネスマンの
豊(西島秀俊)は結婚を間近に控え、
赴任先のバンコクで多忙な日々を過ごしていたある日、
自由奔放で情熱的な謎の美女・沓子(中山美穂)と出会う。
たちまち惹かれ合い、熱帯の夜に溺れていく二人。
だが、互いをむさぼるように求めあい、体を重ねながらも、
「愛してる」の一言だけは決して口に出来ない…。
そして、別れの時が刻一刻と近づいてくる・・・

12年ぶりの女優復帰ということだったけれど・・・
中山美穂さすがだった!
綺麗で妖艶で息を呑む瞬間があったほど。
彼女のこの映画に賭ける気持ちが伝わってくるよう。

2人の女性の間で、深い悩みに落ちていく
豊を演じた西島秀俊も、いい演技をしていた。
鍛えられた体も見事だったし。
彼は、若い頃よりも格段に良い表情をする
俳優さんになったなぁ~と思った。

そして、婚約者の光子役を演じた
石田ゆり子も監督が決めていただけあって
イメージにぴったりだった。
世間知らずのお嬢さんという顔で
したたかに現実を生きていく女性・・・

そのしたたかさにドキリとさせられるシーンがあり
こういう人の方が世の中上手く渡っていくんだよなぁ~
と思ったりした。

1975年のバンコクの映像は
全体的にセピアがかった色をしていて
懐かしさと叙情的な雰囲気をより一層高めていた。

一転25年後の東京の映像では
ビルの立ち並ぶグレー色が全体を占め
無機質な印象を与えているように感じた。

映画が公開される前に
大丸北館のイベントホールで
「サヨナライツカ展」が無料で開かれていたので
ちょっと覗いてみると、
様々なシーンの写真パネルと共に
中山美穂が着用したドレス数点が展示されていた。

こういう衣装の展示品って、
「へぇ~これがあの時の~?」と感心はするものの
それ自体にはそこまで素敵だとか感じないけれど

誰かに着られた途端に
衣装自体も輝きだす気がする。
特に今回の中山美穂のドレス達がそうだった。

そして今回、タイの超高級ホテルである
オリエンタルホテルでの撮影が全面的に許可されたということが
この映画の雰囲気を決定づけていたように感じる。

途中タイ語のシーンや英語のシーンもあるけれど、
ほとんど日本語のシーンであるこの作品を
こんなに心の動きを敏感に捉えた演出をしたのが
韓国人の監督というのは驚き!!
小物ひとつひとつにこだわった映像に仕上げたということからも
繊細な監督なんだろうなぁ~と感じた。

切ない作品だった。

私は原作を読む前に映画を観たので
後半の展開に驚いた。
その方が新鮮で良かったのではないかなぁ~と思う。

詳細が描かれてそうなので、原作を読んでみようかな。