国鉄フライヤーズ

目指せカネ、ヒマ、若さ

民主党と中国、ヨーロッパ、アメリカ

2009-08-31 01:00:00 | 政治外交
選挙行きましたか?
一応投票してきましたが当選してもらいたい人いなかったなあ、うちの選挙区。
最高裁判事に天下り外務次官がいたので大きなバツを書いてきた。

さて、本題。

この10日間ほどでフィナンシャルタイムスに面白い記事が載っていた。
確実と言われる民主党政権を中国、欧州、アメリカの目から見るとどうなのか。

まずは中国。北京のジャミル・アンダリーニという記者。

中国のマスコミは非常にローキー。
自分の国は一党独裁だから何も民主選挙を啓蒙して寝た子を起こす必要はない。
だから選挙報道はとことん控え目で行く。

選挙には直接関係がないが民主主義関連でよく報道されるのが台湾議会。
議会内の政治家の乱闘ですね。
民主主義はこんなに未熟で野蛮です。早く本土に復帰してまともな国に
なればいいのにねえまったく、という調子。

数少ない論評記事で好意的なのは鳩山夫代表は何度も中国を訪れ
、北京の中国共産党中央学校で基調講演もしていること。
そして何より、鳩山氏は靖国神社には公式訪問しないと約束しているのだと伝えている。

反対に心配しているのは自民よりリベラルな民主党の政治姿勢で人権とか
持ち出すんじゃないかという点。
新華社はダライラマと会談するほど「厚かましくぶしつけな人間なのだ」とわざわざ指摘していたそうだ。

ここからがファイナンシャルタイムスらしいので引用すると。

  とはいえこういう状態(このところ良好な日中関係)は、いつなんどき一気にひっくり返りかねない。
  内政問題から国民の目をそらす必要があるとなったら、
  中国共産党はあっという間にスケープゴートを作り出すからだ。

  しかし現時点では中国政府にとって内政よりも外交の方が大事だということに
  なっているから、親日政策が優先している。

  ということはつまり中国政府の対日政策にとって、日本の国会の議席に誰がどう座っていようと大差ないのだろう。

ですね。中国の言うことに右往左往して国民を煽る日本のマスコミや、
偏見に充ち記者の質が低いニューヨークタイムズやニューズウィークとは一味違う。

そしてさらに面白い仮説。中国が落とし所として政権交代が起こらない
日本の政治体制を手本としようかとしていたという説。

  政治の世界における「お手本」を中国が同じアジアで見つけようとしても、
  台湾はバタバタしすぎているし、香港は魅力だがすでに自国の一部だ。
  シンガポールの「管理された民主主義」も素敵だけれども、あの仕組みを中国全土で大々的に機能させられるとも思っていない。

  日本の世論調査が民主党の圧倒的勝利を予測し始める以前、中国は(いずれ遠い将来において)
  日本式の政治体制を選ぶのではないかと、多くのアナリストは予測していた。

  しかしもしも政権与党が権力を失うなどという事態が日本で起こりうるなら、
  それは現代中国の官吏たちにとって、かなり好ましくない体制ということになるのだろう

さて、欧州。日本特派員が書いているが日本のアメリカ一辺倒が終わるかもと
少し高揚しています。
鳩山さんがヨーロッパの思想家クーデンホフ=カレルギーに心酔していることを取り上げて論評している。

祖父の鳩山一郎さんの掲げた「友愛」はこの人の著作に着想を得たもので
「アメリカ発の市場原理主義」とは異なる方向性を指し示していると主張しているのだ。

EUの精神的、理論的背骨となったこのオーストリア貴族への傾倒はアジア共通通貨、
さらには地域的統合をもたらすかもしれないという方向を示唆する。
ヨーロッパ人にとっては心地よい響き。

でも日本人にとっては「友愛」ってなんか借り物っぽい響きですけど。

このこと、鳩山さんニューヨークタイムズにも寄稿しているらしい。

対してワシントンから日本を見ている人たちは面白くないはず。
鳩山代表にとっては、米国の影響力が低下しているからこそ、アジア統合は急務だということになるから。

一方そう急には変わらないという見方も根強い。
民主党が外交問題で珍しく明確だったインド洋での米軍艦船給油活動「違憲」表明。
しかしいよいよ、政権交代が現実的になるや外交曖昧路線に復帰。
「外交の継続性が必要だ。一気にすぐにやめるのも、かなり無謀な議論だ」と発言している。

中国や北朝鮮ミサイルの脅威があるかぎり日本のアメリカ依存は変わらないという意見。

しかし珍しく骨太な小沢さんの「第7艦隊で十分」発言もあり目が離せないといったところか。