接骨院治療日記~奮闘記~

新規開業の接骨院の日々の日常や、患者様とのふれあい、治療家としての気づきなどをつづっていきたいと思います!

慢性硬膜下血腫

2015-06-18 10:13:36 | お勉強
お勉強しましょうのタイトルだと内容がわかりづらいので、傷病名を載せることにしました。

接骨院でも、可能性がある傷病ですので、もしかしたらと頭の中に入れておくことが重要になると思います。

『患者様が来院して頭を打った場合、急性のものであれば応急的な処置が必要なのはすぐに理解できると思います。しかし、慢性硬膜下血腫の場合は、症状の発症にタイムラグがあるため受傷時点での鑑別が困難になります。

軽微な頭部外傷による微量の出血などが原因で、被膜を伴う血腫が硬膜下に形成され、徐々に拡大する。アルコール多飲者・高齢者に多く(外傷の記憶がないことも多い)、受傷後3週以降(多くは2~3ヶ月後)に発症するが、穿頭ドレナージ術にて完治する。
症状として、初発症状は軽度頭痛、徐々に認知障害、運動障害(片麻痺)、尿失禁などを起こします。他の疾患(認知症、脳卒中、脳腫瘍)との判別はCTによる三日月型の血腫像をみること、ドレナージすることによる症状改善(完治)により判別されます。』

なので、当院では軽微な頭部外傷でも脳外科への受診を薦めることがあります。
その他にも、血液の抗凝固薬を内服している場合や、アルコールを多飲している場合は記憶が曖昧であることも考慮し、ヒアリングなどは十分に気をつけることが大切です。
スタッフには、その症状がレギュラーなのかイレギュラーであるのかを考えることの大切さを指導しています。

この傷病は、このようなテストに陽性がでる、でない場合は大丈夫なのではなく、イレギュラーとして精査することが必要、鑑別を怠ると見逃してしまう!
一見当たり前なのですが、どちらかというと陽性=悪い、陰性=良いと捉えがちです。
腑に落ちない恐さを知らないと、『いつか返す刀で致命的な大怪我をする』といっていますが、スタッフの反応はイマイチなことが多いような・・・

頭の芯が冷えるような感覚を獲得していってもらえるといいなと思っています。

エクシステンス株式会社 香山大樹

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