接骨院治療日記~奮闘記~

新規開業の接骨院の日々の日常や、患者様とのふれあい、治療家としての気づきなどをつづっていきたいと思います!

掌蹠膿疱症

2016-01-07 17:45:10 | お勉強
今日は、久しぶりにお勉強を

『掌蹠膿疱症』

主に、手指や足底に非感染性(無菌性)の膿疱を発症する。自己免疫疾患のひとつである。
約10%に骨・関節炎を併発し、特に前胸部(胸肋鎖骨間骨化症)を認めることが多い、他には椎骨、仙腸関節などにも発症する、これを掌蹠膿疱性骨関節炎という。滑膜炎、前胸壁の骨化、鎖骨の無菌性骨髄炎と合わせSAPHO症候群と言われる。(特に欧米に多い)
鑑別診断としてX-Pに加え、骨シンチが有効である。

原因:主に、病巣感染からの過剰免疫と考えれることから、口蓋扁桃炎、歯周病、副鼻腔などが起因となることがいわれている。また、金属アレルギー、特に、歯科で使用される金属が誘発に関与していると考えられている。さらに、当疾患の95%に喫煙者の傾向があることから喫煙の発症も重大なリスクとなる。

治療法:ステロイド剤は類縁疾患である乾癬と同様に有効である。活性化VD3も有効である。難治例では、レチノイド、シクロスポリンが用いられる。しかし、長期での使用が想定され、発癌性、腎毒性、催奇形性、高脂血症などの副作用の問題があります。原因病巣に対しては、口腔外科、耳鼻科での治療、また禁煙を指導する。また、ビオチン療法といい、ビタミンH(ビオチン)が有効であり、特に関節炎を併発する患者に有効である症例が報じられている、しかし、EBMがまだ確率されていない部分があることも事実である。

個人的考察
今回は、患者様が罹患したことで、はじめて知った病名です。
接骨院でみる臨床症例を、当院では『筋・骨・神経』の3分類を大まかにすることを指導していましたが、ここに『皮膚』という概念が必要だということを学ばせていただきました。当然、今回疾患に対しては、私たちが行えることは少なく、あくまでも鑑別としての知識となりますが、レントゲンなど画像診断ができない分、体表解剖による、疾患の徴候判別に必要な知識をもっと身に付けることが、今後不可欠であると思いました。

鶴沢接骨院 香山大樹

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