接骨院治療日記~奮闘記~

新規開業の接骨院の日々の日常や、患者様とのふれあい、治療家としての気づきなどをつづっていきたいと思います!

閉塞性動脈硬化症(ASO)

2016-01-27 18:27:28 | お勉強
皆様、寒い日が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか?

風邪が流行っているようなので、体調にはご注意ください。うがい手洗いをしましょう!!

さて、本日は、『閉塞性動脈硬化症』について学びます。
この疾患をなぜチョイスしたのかというと、最近、足の痛みが改善しない患者様がいらっしゃり、以前、脊柱管狭窄症の診断を受けた既往があるのですが、どうも、腰部からの徴候だけではなく、下肢の問題があるのでは?と思えることがありました。しかし、歩行中の足のしびれや痛みの発現、中腰姿勢にて下肢症状改善(これを間欠性跛行という)により、頭の中に脊柱管狭窄症の既往が強く残ってしまいました。それにより、腰部からの下肢症状に加え、痛みによる足関節運動機能異常、過剰緊張などにより2次的に腓腹の筋障害が起こっていると考えていました。当然、この可能性もあるとは思いますが、リスクスクリーニングの観点から、間欠性跛行という症状を脊柱管狭窄症と決めつけてしまったことが問題です。
実は、昨日、大手接骨院の統括の方と治療の話をする機会があり、プライマリーケア、そしてリスクスクリーニングの話をしていただき、いかに自分の視野が狭いのかを諭していただことが理由です。
前置きが長くなりました。以下は書籍からの抜粋です。

閉塞性動脈硬化症(ASO)
特徴:50歳以上の男性で、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)の既往があり、間欠性跛行、下肢動脈の拍動減弱がみられ、動脈造影で途絶、虫食い像が見られる。
初発症状として、間欠性跛行のみであるが、進行すると患肢の萎縮、皮膚温低下、安静時痛、潰瘍、壊疽、脈拍の減少、消失
※通常は段階的に症状が進行する、しかし、高齢者や脳梗塞既往、DM(糖尿病)既往の場合、潰瘍、壊疽を主訴として来院する場合もある。
治療方法:薬物療法・・・抗血小板薬、血管拡張薬
血行再建術・・・10cm未満であれば経皮的血管形成術(PTA)を行い、10cm以上であれば人工血管パイパス術、血栓膜摘除術を行う
または、自家静脈移植術、壊疽してしまう場合には患肢切断となる。

以下、個人の見解
閉塞性動脈硬化症、我々の適応する疾患ではないですが、来院されている患者様の中にいらっしゃってもおかしくない疾患です。
間欠性歩行=脊柱管狭窄症と考えていた自分は本当に未熟です。
ちなみに、動脈閉塞による疾患は他にもあります。例えば、頸部で起これば『一過性脳虚血発作(TIA)』心臓で起これば『狭心症』となります。また、調べたところによると、腸管膜動脈で起これば『腹部アンギーナ』となるようです。
臨床で、間欠性跛行があれば、腰部スクリーニングに加え、足背動脈や後脛骨動脈、膝窩動脈の触知を行うことを心がけたいと思います。
痛みが変わらない時は、何かがあるとどこかでいつも考えること、そして、リスクスクリーニングをしてリスクヘッジをすることとても大切です。

鶴沢接骨院 香山大樹

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