『藤原定家の熊野御幸』で和歌山市に伊勢神宮に並び立つといわれる宮があることを知り、和歌山市なら半日もかからずに往復できるとの目論見で、天気のいい日を見計らい、未だその定家の本を読み終えてもしないのに、いそいそと家を飛び出したのでした。地図を見てもJR和歌山駅から和歌山電鉄に乗り換え、二駅目で降りてすぐのところ、面倒臭いのは地下鉄に乗って天王寺へ出ることぐらいです。
天王寺から和歌山までの運賃が830円、和歌山電鉄の分が170円ですから、合計往復で2000円の出費やなぁと考えながら、車で出かけようとしない自分がどうも訝しい。
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偶然にも先月の21日に姫へ帰ったのと同じ11時40分発の和歌山行の熊取以降は各停になる阪和線の快速列車に乗り、山中渓が大阪側の最後の駅やなぁ、紀伊が和歌山に入って最初の駅やなぁ、六十谷って“むそた”って読むんやなぁ、これも読めん駅名の一つやなぁと思いながら、のんびり旅するのも一興です。和歌山駅に着いたのがもう1時前、和歌山電鉄に乗ろうか、歩こうかと考えていましたが、とにかく往は歩こうと思い東口を出たのでした。昼食は天王寺で買ったパンを車内で食べました。
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プリンタで印刷した地図を持参していたので、いくつ目の信号を曲がれば良いのかを勘定しながら、ほぼ間違いなく目的地に辿り着くことが出来ました。写真左奥の木々のてっぺんが見えているのが神宮だろうと思いながら県道138号線を暫らく歩いていました。
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高校を超えて、幼稚園を超えて、ついに大神宮に到着、歩いてきた側からは思ったような写真が撮れないと思い、一旦道路を渡って正面の全体像を撮ってみました。
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正面の鳥居に向かって入るための太鼓橋が改修中で通れないと記されていますが、何処から入るのか分からないので、橋が崩れるのを心配しながら太鼓橋を渡ります。
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官幣大社 日前神宮、官幣大社 國懸神宮と刻まれた石碑、それぞれ『ひのくま』『くにかかす』と読みます。「これが伊勢神宮と同格の日前、國懸の宮か」と身の引き締まる思いで臨んだ定家とは違い、何の畏れもなくどんなところなのかという期待感だけで私は鳥居へと進みます。
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正面の鳥居を潜り、広い境内を尻目にそのまま正面に進んだら間違いで、一旦左へ折れてから突き当りを右に曲がると正面に日前神宮の鳥居が見えてきます。不覚にも私は正面を突っ切ってしまい、また戻る羽目に・・・いや正面を進んで突き当たってから左へ折れても鳥居のあるところへは行けるのですが、どうも正調ではないような気がします。
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この参道の両側には何を祀ってあるのか判らないような末社がいくつも並んでいました。
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残念なことに当日は鳥居の改修も行われていて、工事人がいるので雰囲気が壊れる恐れがあって、鳥居の近くからは写真が撮れません。遠くから撮ると自動車が入り、運の悪い日に来たもんやなぁと自嘲してしまいます。
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鳥居を潜ると拝殿があり、奥に本殿があるのが判りますが、横幅の割に縦の距離が短く、思ったような写真が撮れません。止む無く庭隅の方から本殿の方の雰囲気を写します。
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本殿を囲板塀まで下がり、拝殿の一部と鳥居、鳥居の根元が腐ってきているので、その修復をしているようですが、気を利かせてどいてくれるような細かい気性は和歌山県人には無いようです。
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日前の宮を後にして、國懸の宮への参道を歩みます。左側にあった摂社、中言神社と書いてありました。
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國懸の宮に近づくと右側に摂社が並んでいます。一層旗で賑やかなのは見ての通り市戎神社、荘厳な境内でここだけが派手な雰囲気で、この写真では解りにくいですが、祠にはえべっさんの飾り籠が添えられていました。
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