ぼんくら放浪記

Blogを綴ることによって、自分のぼんくらさを自己点検しています。

参議院議員選挙

2010-06-30 05:00:00 | 社会問題
6月も今日でお仕舞い、2010年も半分を過ぎてしまうのです。そろそろ来年の賀状の案も考え始めなアカンなと思う反面、再来年には干支が5巡して暦が還る現実は月日の経つのは早いものだと思わせるのですが、それまで生きているのか、このBlogを続けておれるのか、周りを見渡せば世の中は働く者にとって住み易くなっているのかと、働き始めて40年を振り返ることもある今日この頃です。

さてここは大阪・梅田の陸橋、先週の木曜日参議院選挙が告示された日の夕方です。JRの大阪駅で降りてブラブラと歩いていると、この鈴なりの聴衆に目を奪われたのでした。

             

何をするあてもないので、私も立ち止まって、Blogのネタにしようと、少し話を聴いていました。当然ながらあちことと場所を変えて写真を撮りながらのことです。

2年前に定年退職したD井さんに出会うとどうやらこの演説を聴くのが目的のよう、同僚のH家君が歩いていくのを見かけましたが、どうやら素通りした様子、せっかくやから暫く聞いていけばよいのにと私は思ったのですが・・・

             

今回の選挙での争点は何なのでしょう。ここの演説では一つは消費税の問題だそうですが、確かに消費税10%への増税は敵いません。でもこれって与党・民主党も旧与党・自民党も揃って言っていること、こんなことを二大政党言われたら、どちらに転んでも消費税10%への道は開かれたも同然です。消費税10%に反対というこの党の候補者全員が当選したとしても与党にはなれないわけですから、非常に空しい主張と言わざるを得ません。

             

だけど大企業への税金を引き下げるのと同程度の額を消費税で賄うというやり方は(誰もそんなことは言うはずもなく、結果としてそうなるという主張なのだが)、民主党も自民党も財界のために政治を行っているのだなぁと思うしかありません。
具体的にはこうです。89年4月に導入した消費税、国民が納めた昨年までの累計は224兆円、同年の税収と比べた法人3税の減収累計は208兆円、なんと20年間で16兆円しか税の伸びがありません。そして今度、消費税10%導入で12兆円の国民負担増が、法人税25%減で9兆円の減額になるのです。

先に『だまされることの責任』という本を紹介しましたが、当に今まで私たちを騙し続けてきた自民党は論の外、民主党にも騙されないぞという思いでこの選挙を見つめ続けないといけないと思っています。

             

二つ目の争点は沖縄の基地問題。この問題では民主党にはホントに騙されました。別段民主党が狡猾な手を使って騙したのではなく、なす術なくアメリカの言いなりになってしまって、普天間の基地を辺野古に移転することを了承してしまったのです。この民主党の執った態度とか力量にどう審判を下すのか、確かにこの問題も今選挙の重要な争点でありましょう。

アメリカ言いなりの政治姿勢は自民党と瓜二つ、先の衆議院選挙で自民党に変わる新しい政治を期待した国民は、税金の使い方も基地の問題でも、結局のところバカを見たことになってしまいました。

             

現段階になって、民主党は消費税問題を選挙の争点から外そうと、狡猾な手段を用いようとしているという報道があります。この問題を争点にすると得票が減るからと・・・当たり前じゃないですか!消費税を下げようという提案なら得票は伸びるでしょうし、争点隠しする必要はありません。10%にするという自民党の案を参考にしたいと言ったんだから、隠さなければならなくなったのです。頭隠して尻尾隠さずって、このことを言うのでしょうかね。

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これでは保険に入れない

2010-06-29 05:00:00 | 社会問題
そろそろガン保険にでも入っておこうかなと思う今日この頃、この春の労働組合のキャンペーンで加入を決意し、申し込み書に印鑑も押して提出したのですが、入れてあげないという返答。

          

申込書の最後にアンケートのような質問事項があり、これに正直に答えたのがいけませんでした。

『保険契約者にご確認いただきたい事項』とあり、ご本人様が質問①から⑤すべての「ご確認欄」の(はい)または(いいえ)を○で囲んでくださいと書いてあります。自分が思った通りの方を○で囲むものと思うでしょ。

①保険内容(給付金・保険金などの支払い事由など)はご意向に沿った内容になっていますか。
       保険金・給付金は高いほどいいですから、意向としては私の答えは「いいえ」です。

②保険料・保険金払込期間などはご意向に沿った内容になっていますか。
       保険料や払込期間は安くて、短いほどいいので意向としては「いいえ」です。


③保険料(払込方法・金額)保障額(給付金額・保険金額)はご意向に沿った内容になっていますか。
      保険料は払込方法は良いとして、金額は安いほうがいいし、保障額は高いほうがいいので、これも意向としては「いいえ」です。


④解約払戻金・配当金について、「パンフレット(契約概要)」にてご理解いただけましたか。
       パンフレットを読んで理解したつもりなので「はい」です。

⑤お申し込みの保険商品は総合的に判断して、ご意向に沿った内容となっていますか。
       ①②③の質問に追い討ちです。意向としては「いいえ」なのです。

意向として「いいえ」は多いけど、私は払込期間も保険料も給付金額も保険金額も納得して申し込んだのです。意向に沿っていようといまいと、保険に加入するには納得して契約するしかないでしょう。だいたいこんな質問するから、意向に沿ってるか沿ってないかを考えてしまうのです。

ところが、全ての項目が「はい」でないと契約できないようになっているらしい。

電話で説明してくれた人は法律で決まっていて「消費者保護のためのもの」だと言いました。
契約しようと思ってる客に、売り手の方が(この商品は)意向に沿ってるのかなどと聞いてから、沿ってないのなら売らないなどと言えるのでしょうか。随分高飛車なものの言いようですし、保険に入ろうと思ってる人に入らせないで、もし病気にでもなってしまったら、それが消費者保護のためのものなどと言えるのでしょうか。

反対に保険に加入したければ、「例えば保険料は高いなぁ」、「保険金も知れてるなぁ」などと思っていても、「それが私の心にピッタシです」と表現しなければならないのです。

つまり、保険に加入したければ、保険会社に「心を売れ」と言ってると同じなのです。私はそんなことに屈服したくありません。

しかし、ガンに罹ったらどうしようと思い悩んでいる今日この頃なのです。

こんな法律、消費者保護なんかじゃなくて、後からナンダカンダと言われるのを回避したい保険会社保護のためのものじゃないんですか?

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アメリカデイゴ

2010-06-28 05:00:00 | 大阪にて
さくら夙川駅を降りて、西へと2~3分歩き夙川に突き当たって、南へと進むと国道2号線と交わるところに夙川橋が架かっています。

橋を渡りかけて前方を見ると、向こう岸に鮮やかな赤い花が眼に飛び込んできました。

             

橋を渡って2号線からこの木を見た写真です。実は23日の夙川日切地蔵や24日の夙川不動明王は、ここから奥へと続いている道の突き当たりにあるのです。

             

実に奇妙な形をした花です。別名カイコウズと言うそう、漢字では海紅豆と書くようです。鹿児島県の県花だそうで、ただのデイゴが沖縄県の県花、同じ種類の花が隣同士の県の花などというのも珍しいけど、アメリカが冠されているなら沖縄の県花にした方が似合ってるかも・・・などと思うのは、基地問題で苦しむ沖縄の人の心情を踏み躙るものなのかも知れません。

             

こういう風に見ると、色の違うので、こんな花を見たことがあるような気がします。カラーでしたかね。

             

落下した花は、羽根突きの羽根みたい、根元に豆があるのでそう見えるのかも。

アルゼンチンやウルグアイの国花でもあるみたい、ワールドカップで優勝するのは果たして中南米の国なのか、私が出会ったこの花がアルゼンチンの優勝をもたらすことがあったら凄いなぁ。

             

夙川橋の上から北側の眺めです。

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夙川不動明王

2010-06-25 05:00:00 | 大阪にて
日切地蔵より北には行けないので元来た道を引き返さければならないのですが、2号線に向かって歩くとすぐ右側(西側)にも祠がありました。丁度夙川には堰がある辺りになり、川のせせらぎが遠く聞こえるのですが、時としてJRの電車の轟音にかき消されてしまいます。

             

夙川不動明王とあり、真ん中にはリレーフ状のお不動さん、その右に焔に包まれたお不動さんの立像、左側にはお地蔵さんが何体か群れています。

                  

まさか彫ったのは子供ではありますまいが、子供が書いたお不動さんのような稚拙さ、でもそこがまた信仰の対象になるのでしょう。

                  

説明によると、このお不動さんは安政年間に造られ、剣谷にあったそうです。剣谷って何処よって思って地図を見ると、2年前の今頃に通っていた甲陽園の近く、神呪寺から鷲林寺へと歩いた日がありました。その鷲林寺の近くに剣谷というバス停があり、まさしく夙川を遡ればその辺りへと辿り着くことが出来ます。

しかし昭和12年の甲陽大池決壊の際に苦楽園川筋の橋下に埋まっていたというのは、位置関係も不明な上に説明も不十分で、ここに祀った経緯も理解できるような内容ではありません。

             

公園入口からのプロムナード、遠く正面に夙川日切地蔵のお堂があり、その手前左側にこのお不動さんがあります。

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夙川日切地蔵

2010-06-24 05:00:00 | 大阪にて
2年前の春に夙川近辺を訪れています。その頃は夙川の上流の街を歩いていました。今は郷免町という国道2号線沿いの街、大手前大学がありますが、風情があるといえるような街ではありません。甲東園に行ってた頃は関西学院大学の学生がいっぱい乗っていましたが、ここでは学生の姿を見ること自体稀です。

2年前は阪急の苦楽園駅から川沿いに南下し、JRのさくら夙川駅を経て、2号線までを紹介したのでした。当時はサクラも咲いていて賑やかな川原でしたが、今は蒸し暑い時期なので人もまばらです。

             

当時は夙川の左岸を歩いていて、右岸には全く足を踏み入れてなかったのですが、今回は2号線からJR方面を見ているわけで、郷免町が夙川よりも西にあることも手伝って、右岸を歩くのは容易いのです。

2年前に来たときにJRを超えた対岸に、瓦葺の屋根が見えていて、お堂があるなと思っていたのですが、その時はわざわざ行ってみようとは思いませんでした。今回そんなお堂のことなどすっかり忘れていたのですが、夙川の右岸沿いに少し歩いてみると、正面にお堂らしきものが見えています。

                  

お堂の中にはお地蔵さんが安置されています。像は木造、下半身の文様に木の木目を巧く使ってあります。掃除も行き届いており、気が配られてるなぁと感心させられました。

             

命名の日切は旧の地名なのか、何らかの意図があるのか・・・、調べてみると各地に日切地蔵尊があるもので、日を切って(期間を決めて)毎日お参りすると願が叶うという意味らしい。

                  

お堂の奥に忠魂碑的な石塔が建っており、ここより北側へは行けません。

             

碑には右から、日清戦役、日露戦役、各戦病死者、支那事変、往今戦役と刻まれており、中央の各戦病死者の下に英の字が見えていて、その下がお茶碗で隠れていますが、きっと霊の字が刻まれているのでしょう。丁度それ位のスペースがあります。

でも支那事変という表現はどうでしょう・・・せめて日中事変とか・・・どちらにしても日本が中国に権益を求めて攻めていったことに変りはないのですが。

それに往今戦役って?いつ頃の戦役から今までを言うのか、まぁ第二次世界大戦以降日本国は戦争をしていませんから、今というのは1945年のことなのでしょう。日本国最初の戦役は壬申の乱だったかな。

             

柵から北へは行けませんが、身を乗り出して、JRの電車が来るのを待って、北西方向の写真を撮りました。

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遠くへ行きたい

2010-06-23 05:00:00 | 大阪にて
雨が降りそうで降らない日が続きますが、屋外ではパッとした写真が撮れませんね。曇り空をバックにしても、汚い写真が撮れるだけ、カメラと腕前も影響するのでしょうがね。

             

そこで今日は地下街、といっても商店などは一切ありません。ですから、人通りも少ないのですが、イベントはしているのです。イベントといっても開催する人たちがいるわけでもありません。一応曽根崎の地下街、『ソネチカ』という愛称があるようです。

日本全国各県のブースがあり、観光協会などが作ったポスターを貼って、パンフレットを置いてあり、気に入ったものを各自が持って帰るというもの。日本全国といっても、大阪や和歌山はありません。なんか中途半端です。無いのはその県の担当者の怠慢なのかも知れませんがね。

                  

これは愛知のポスター、外国向けなのでしょうか・・・温泉に入っている女の人と味噌煮込みうどんを食べている女の人が、昔風の髪型です。名古屋名物と言うけど味噌煮込みうどんなんか食べれたものじゃありませんよ。うどんが煮え切っていないというか、芯があるのです。

常滑焼のレンガの煙突もあるし、名古屋城や犬山城、長良川の鵜飼い・・・懐かしいです。でも名古屋といえば信長でしょ、清洲城にいた殿様ですから、何故に家康なのか理解に苦しみます。

             

素人の写真を展示してあるコーナーもあり、写真家には楽しいこともあるけど、同じものをずっと貼りっぱなしの状態のときもあったりします。

                  

この明石海峡大橋は淡路島側から撮ったものでしょう。いいカメラで撮っても、霞んでいるものはハッキリとは写らないのですね。

             

場所はJR北新地駅の東出口を出て、右(東)へと通路を歩いていけば、すぐ分ります。あまりにも暗いのでビックリするかも。

明るく見えているのはディアモールの地下街です。

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ミルキークィーン

2010-06-22 05:00:00 | 大阪にて
我が家で食しているお米は農民連・福島産のもの、銘柄は覚えていません。でも結構美味しい。甘味があって、どちらかというと私は軟らか目に炊かれた方が好みです。ちょっとぐらいべチャッとしてても構わないくらいです。

お米の話で思い出すのが先日亡くなった井上ひさし氏の『コメの話』、お米が高いと言われているが本当に高いのかと・・・1985年(お米が高いと言われ始めた頃ですかね)の総理府の統計で一家3.8人の1日の米代は204円、一人当たり50円程度です。今やアンパン一つでもそれ以上、高いと言うならもっと他のものがあるだろう。例えば土地の値段や住宅費、教育費など、外国より何倍もする。米代204円を100円にするより、住宅費10万円を半分にするほうがもっと生活が楽になるというものでした。

さて、ミルキークィーンという新種が出たという話が出て、それを買って食べてみることにしました。炊く時の水は普段より10~15%少なくして丁度良い炊き上がりになるそうです。

1kgあたり600~700円ぐらいするのですが、水を10%減らしたところで、普通のお米の値段と相殺されるものではありません。

             

炊き上がったご飯、次男がよそったので、もうひとつフワフワ感がありませんし、うまくピンとも合ってないのか、お米一粒一粒が鮮明には判りませんね。

食感は少しモチモチしていて、甘味も十分あり、確かに美味しいです。冷めても美味しいというから、おにぎりでも作ろうかと思いきや、3合炊いたのに一気に無くなってしまいました。

ご飯に合うおかずとかよく言われるけど、こういうお米を食べていると、おかずは梅干や漬物でいいような気がします。

普段は私、お米は飲みはするけど、食べないのですがね。

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七福神

2010-06-21 05:00:00 | 大阪にて
尼崎中央商店街のアーケードに七福神が描かれていると、隣に座るK山君が教えてくれたので、探しに行ってきました。正確には西宮へ行った帰りに出屋敷で降りて、そのまま尼崎へと帰る途中にあるのです。

上の写真のリーフレットは阪神尼崎駅に置いてあったもの、絵は『忍たま乱太郎』の作者・尼子騒兵衛によります。騒兵衛などと男の名前でも本人は女性なのであります。

             

リーフレットにある絵もアーケードにある絵も原画は一緒で、見ている方としては楽しくありませんが、騒兵衛さんは楽なのでしょうね。でも一つしか描いてないのですから、収入は伸びないので嘆いているかも知れません。

             

八角形の一辺に一人の神さんを入れ、残りの一辺には神様全員の姿を入れていますが、どうしても一枚の写真に全体の絵を写すことが出来ないのです。

             

上を向いて地面に寝転んだら撮れたかも知れませんが、衆目の面前で、しかも交差点に当りますから車も走ってきます。そんなことはしていられません。

寺町のお寺に行けば、七福神に出会えるとか、私が行ったころにはこのような企画はなかったです。再度行けと言われても、あまり行きたくはありません。当時の記事に載ってないのかな?

             

尼崎えびす神社が恵比須神、本興寺が大黒天、長遠寺が毘沙門天、大覚寺が弁才天、貴布禰神社が福禄寿、常楽寺が寿老人、法園寺が布袋尊です。常楽寺だけ紹介していなかったのですね。コンクリートで出来たお寺らしくない寺だったかも知れません。

             

尼崎寺町七福神めぐりとあるのですが、貴布禰神社と尼崎えびす神社は寺町にあるのではありません。

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歩数計

2010-06-18 05:00:00 | 大阪にて
姫の家にブルーベリーの木を植えた際に使ったカフェテリアのポイントで、歩数計をGETしました。送ってきてかれこれ2ヶ月になろうというのに、未だ使っていません。いやブログのネタが無くなったら使おうと、取っておいたのです。そしてとうとう溜めてあったネタを使い切ってしまいました。

正確にはヘルスカウンタと呼ぶそうです。歩数を計るだけではありません。『しっかり歩数』というのも計るらしい。

             

箱から取り出して、本体と付属品、ボタン電池やストラップ、USBコードに説明書です。

最初の設定がややこしい、裏面のリセットスイッチを押すと時間や体重、歩幅などを設定する画面に切り替わるはずなのに、何度押しても画面が変わりません。10258歩の数字は、あてつけがましくこちらをむいているばかり、おかしいなと思いながら本体をしげしげと眺めていると・・・なんや!窓にはシールが貼ってますやん。

             

ほらね。でもそんなこと取説にも書いてなかったのですよ。

この歩数計は、毎日の歩数の他に、歩行時間や消費カロリー、脂肪燃焼量、歩行距離の14日分を記憶することが出来るし、インターネットにも接続出来るようになっていて、毎日の歩数管理が出来るという優れもの。ちゃんと使いこなせるのかな?

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だまされることの責任

2010-06-17 05:00:00 | 読書
伊丹万作という方をご存知でしょうか。大江健三郎氏の奥さんのお父さんといってもピンと来る人は少ないでしょうが、故・伊丹十三氏の父親といえば察しがつく方もおられるだろうと思います。映画監督であり、脚本家でもありました。

この本はその伊丹万作氏が書いた『戦争責任者の問題』というエッセイを題材としています。伊丹氏は当時、自由映画人集団という団体が映画界の戦争犯罪者を指摘し、その追放を主張しており、その主唱者の中に自分の名があることの説明をしながら、自分が考える戦争責任とは何なのかを明らかにしています。

要は、戦争責任は一部の軍の幹部や政治家だけにあるのではなく、自分達は一部の軍の幹部や政治家輩に騙されていたという一般人も、実はお互いに騙し騙され合っていたのではないか、そのことを反省することがなければ、また同じことが繰り返されると主張するのです。それは確かにぼんくらな私も含めて日本人の体質みたいなものを指摘しているし、戦後65年を経過した現在にしてもなお生きている指摘だと思う。

             

騙されたということは、不正者による被害を意味するが、騙された者は正しいとは古来どのような辞書にも書いていない、騙されたとさえ言えば、一切の責任から解放され、無条件で正義派になれるように勘違いしている人は顔を洗い直せ、騙されるということ自体それは一つの悪であるとまで言い切っています。

このことは現在を生きる私にとっても教訓になり得ることで、肝に銘じておかなければならないと思っています。

さて、本は佐高信氏と魚住昭氏の対談に入りますが、佐高氏はよくTVにも出られている方ですからご存知でしょうが、魚住氏はあまり記憶にない方だと思います。彼は共同通信の記者からジャーナリストに変身した方であります。

対談はまず住専問題の解決に乗り出した中坊公平に騙された話から始まり、国民を騙してきたとして、ナベツネや公明党の浜四津などが挙げられ、話は二世議員はダメという、小泉・福田・中川・安倍・麻生などの話になり、平和主義者として田中角栄を持ち上げたりと、所謂政府や自民党のの路線を批判するのではなく、個人に対する批判や論評が多くなってきます。

彼らはジャーナリストであり評論家ですから、細かいことまでよく調べていて、私たちが知らない個人的なことまで明らかにしていて、それはそれで面白いのですが、やはりだからどうするのだという論点が無いのです。

面白い指摘だと思ったのは、就職斡旋のリクルート社が、新しい社畜を会社に送り込む働きしかしていないという主張、ますます働きにくい世の中になっていくことだけは確かなようです。

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