先週後半からは良い天気が続き、何処かへ行きたいとは思いつつも、電車や車に乗って遠くへ行きたいとは思わず、手軽に行けるところは無いかと考えていたら、ふと野球観戦に行った時に地下鉄で大阪市立美術館のポスターを見たことを思い出したのですが、いったい何の催しだったかは思い出せず、ただ「行かなアカン」と思ったことだけが頭にあったのを思い出したのでした。早速、ネットで何を催しているのか探ってみると、『山の神仏』という特別展をやっていました。サブタイトルは『紀伊山地の霊場と参詣道』世界遺産登録10周年記念というもの、確かに行ってみなけりゃなりません。
自転車を漕いで天王寺まで行ったのですが、自転車を停めておく所が無いので、新世界まで降りて、初めて動物園側のゲートからの入場しました。動物園を跨ぐブリッジを渡っていると右手にあべのハルカスが見えます。ブリッジを渡り終えて券売機で入場料を払ったのですが、電車の切符、食堂の食券みたいなものが出てきたのでガッカリ、展覧会のチケットってこんなんじゃないと文句を言ったら、係りの女の人が何か言ってました。
吉野・熊野・高野と三つの区域に分けて、紀伊山地の霊場を紹介しようと言う試みのようです。熊野はあっちこっちと行っていますが、高野山と吉野は何度か行ったことがあるものの、大峰山方面には行ったことがないし、高野山手前のこの展覧会でよく出てくる丹生というところにも行ったことがありません。
館内は撮影禁止なので、ここからは2300円も出して買った図録の写真を撮ったものです。一つ目は奈良の如意輪寺にある重文・蔵王権現立像、二番目は熊野速玉大神坐像で国宝ですが、速玉大社に行っても見たことがありません。三番目が藤白神社の薬師如来坐像、四番目は金峰山寺にある役行者坐像です。
奈良の喜蔵院にある天狗立像、背中にある羽根の形は何処かで見たような・・・南海ホークスの球団旗の鷹の羽根に似てると思ったのは私だけでしょうか。
左の写真はいずれも速玉大社のもの、右側が伊邪那美神坐像、左が伊邪那岐神坐像、伊邪那美神の方が少し早い年代のものらしい。真ん中が空海を高野山へ導いたと言う狩場明神像、丹生狩場神社に有ります。右の絵は那智参詣曼荼羅図で、速玉大社所蔵ですが、似たような曼荼羅図が他の寺社にも保管されています。全景を写せたわけではありませんが、右上から流れ落ちる那智の滝、下部の鳥居(上段しか写っていませんが)が浜の宮、ですからその辺りに補陀落山寺、左上に阿弥陀寺が描かれているようです。
受付で貰ったパンフレットの中身、吉野・大峰地域では厨子に入った蔵王権現や役行者に仕えた前鬼・後鬼が、熊野三山では那智参詣曼荼羅図の他に那智大社の女神坐像、どう勘定しても13体ある熊野十二社権現懸仏、熊野本地仏曼荼羅図、藤白神社の阿弥陀如来坐像が、高野山では狩場明神像の他に重文の弥勒菩薩像、高野山参詣曼荼羅図、金剛峯寺所蔵の
重文・不動明王立像が紹介されています。この不動明王は合体不動と言われ、空海が半身まで仕上げると春日大社からもたらされた半身と合体するとピタリと合ったという説明がありましたが、どんなに見ても接合したような部分が見つかりませんでした。
山の神仏とは関係ありませんが、この手拭いが美しかったので、ロビーで図録と一緒に買いました。太刀魚をデザインしていますが、“紀州てぬぐい”と書かれていると思ったのに、よく見ると“てめぐい”ではありませんか。
パンフレットの表紙、国宝の熊野速玉大神坐像の他に和歌山の三谷薬師堂というお寺の女神坐像と、奈良の櫻本坊というお寺の重文・役行者坐像が載っています。美術館の受付であの切符や食券みたいな入場券を渡すと、正式なチケットの半券をくれました。この半券でハルカスの東大寺展の入場が割引になるようです。ところで気になってるのですが、奈良の櫻本坊って何処に有るんですか、一度尋ねてみたいと思っています。