こんにちは/こんばんは。この週末になって、ちょっと「奇跡の五月」も一息ついている感じになっています。多少の風と雲りの日がやってきました。これが、あくまで「一息ついて」であって、「おしまい」ではないことを願いますよ、ホントに。
夏に入り始めたアイスランド ガルザー教会
始めに、前回書きましたユーロビジョン・ソングコンテストについて。
結果としてアイスランド代表ダージィ&ガグナマグニズの歌う「10Years」は四位に入賞しました。優勝はイタリア。
メンバーにコロナ陽性者が出たダージィさんらは、木曜日の予選に引き続き、土曜日の本戦でもステージに立つことができず、ビデオでの参加となりました。
ユーロビジョンに関心のないワタシは、三時間に及ぶ生中継の中で、最後の二十分だけを見ました。各国からの得点が集計されるパートの最終ステージです。この部分で、アイスランドは一時トップに立ったのですが、残念。四位で終了。
でもアイスランド人たちは満足して拍手を送っていました。私は知らなかったのですが、ガグナマグニズの三人いる女の子のひとりはダージィさんの奥さんだそうで。この方、帰国してからコロナの陽性になってしまいました。
早く回復されますよう。
さて、この二週間ほど、私自身も多少不自由な生活を体験してきました。「外見で人を判断してはいけない!」とはよく言いますが、実際にはそうはいかない部分もあります。
実は二週間くらい前の朝、起きて洗面所の鏡を見てびっくり。右目の鼻に近い方の半分に出血があったのです。かなり真っ赤。
これ「結膜下出血」といって、結膜下の毛細血管からアクシデント的に出血するものです。鼻血と同じようなもんです。痛くもなんともないので、本人は鏡を見るか、他人が指摘してくれるまで気がつかないことが多いのです。
私自身、初めてのことではなく、過去十何年間で三回目のことです。普通は一週間くらいでもとに戻るのですが、今回は出血が右目の鼻に近い半分から、白目の部分全体に拡散してしまいました。
目が赤くとも可愛い カイフォルニア・ラビットちゃん
Myndin er ur Wikipedia.org
結果は... 文字通り「真っ赤な目」。本人は痛みもないし、痒みもない。視野も普通。なので、全然困らないのですが、問題は人を驚かしてしまうことです。
驚かせ方にも二通りあります。職場の人などは赤い目を見て「どうしたの?怪我?」とか「痛くないの?」とか心配や同情の念付きの驚きです。
心配させてしまっては申し訳ないので、こちらも「結膜下出血だから、病気じゃないし、痛くもないし大丈夫。鼻血と同じだけど、鼻血は拭えるけど、目の中は拭えない。だから消えるまで待つしかない」と説明を準備。
「結膜下出血」ってなんて言うのだろ?英語ではsubconjunctival hemorrhageというのだそうです。これは覚えるのが大変だな、と思い、別名のhyposphagma という短い名称を暗記しました。
これは知り合いの中での話し。町中やお店等では別の驚かせ方をしてしまいます。要するに赤い目は「不気味」なのです。スターウォーズのダースマウルかデビルか?みたいな。
赤い目はなんとなく「不吉なもの」という変な相場が世の中には出来上がってしまっているのです。これこそ外見による偏見ではないか?可愛いうさぎちゃんたちを見よ! 赤い目が多いではないか!
「それはうさぎだからだ」なるほど。私はうさぎではありませんし、うさぎのふりをしてバーニーになったら、不気味を通り越して「アブナイ」になります。
スターオォーズのダースマウル 赤いのは目よりも顔か?
Myndin er ur Starwars.com
そこで、人前に出る時はお定まりのサングラスをかけることにしました。困ったことに私のグラサンは眼鏡仕様で度が入っています。運転中に使うために作ったものなので。
それを室内とかでかけていると、今度は手元が見えないのです。で、かけたり外したりしなければならず、これは面倒。度の入っていない安いサングラスをひとつ買おう、と思い薬局へ。こちらの薬局には、必ず安い老眼鏡と(こちらでは読書グラスといいいます)、サングラスを売っています。
「眼帯という手もあるか」と思い立ち、眼帯も見てみたのですが、薬局にある眼帯は黒のみ。しかも三角っぽい。日本にあるような白くてスクエアなもの、つまり目を痛めています、という風のものはなし。
黒で三角っぽい眼帯。想像できます?付けたらもろ「海賊」ですよ。安かったので、それでもひとつ買って試してみましたが、自分でも噴き出してしまいました。しかも、片目になると遠近感がなくなってしまうので、チョー不便。
というわけで、やはりグラサンの方がいい。薬局ではいいものがなかったので、100円ショップへ行きました。そこでまあ、満足のいく、そんなに色が濃くないものを700クローナで購入。100クローナじゃないじゃないか。まあ、いいや。
片目のルフィー
Myndin er ur onepiece-log.com
とにかく、屋内ではそのグラサンをして過ごすようになりました。
それでも、面倒はあります。会議や集会などでは、いちいち「サングラスのままですみません。目にトラブルがありますので... 」と釈明。まあ、アイスランドではそれほど服装等とんちゃくがありませんので、こちらが思うほど周囲は気にしていないことでしょうが、やはり日本人のメンタリティ的に釈明義務を感じてしまうのでした。
二週間以上経って、ようやく右目は「悪魔的な赤」から「ちょっと目が赤いよ」程度まで回復してくれました。やれやれ。まったく。目が赤いくらいで、これだけあたふたしなくてはならないとは...
ですからねえ、それを考えると、やはり「外見によるものごと、特に人についての判断」というものは普段から考えておく必要がありますね。「偏見を持ってはいけない」という教えには皆賛成するでしょう。
それでも見慣れないものを見るとつい反応してしまう、というのが人の常でしょうし、ある意味では仕方ないことかもしれません。ただ、その部分も訓練をすれば矯正できるものだと考えます。
私などは、こういう体験を軽い調子でお話しすることができますが、目に見える身体的特徴、外傷や障害を持っている方々にとっては、日々直面している大きな問題だろうと想像します。
そういう問題を理解していない人たちが、悪意はなくとも他者を傷つけることがあったとしたら、それはやはり偏見、差別に陥ってしまっていることになります。偏見、差別と善意、悪意は異なる次元に属するものです。
LGBTのレインボーフラッグ
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ですから、「外見で人を判断するな」だけでは十分ではなく、「外見で判断される側」の問題や苦労を学び、「外見だけで判断しない」ような態度を持てるよう訓練する必要があるのではないでしょうか?
こういうことって、意識的にプログラムしないと、自然にはやってこない部類の問題だと思うのです。
アメリカの一部の警察では、黒人の人への差別を持たない態度を育成するための、非黒人警察官への教育プログラムを始めたと聞きました。そういう差別、偏見を克服するプログラムの必要性は、BLM関連だけに限られたものではないでしょう。
と、ここまで書いていて、自分で気がついたのですが、だいたい結膜下出血で赤い目をしたワタシ自身が「サングラスをかけよう」と思うことこそ、「外見で判断している」ことの見本ではないか?逆側からですが。
「見かけで判断するな!」と確信があるなら、赤い目でも青い目でもそのままで通すのが筋だろうが。正論だなあ...
うーん、結局、問題は自分自身へとブーメランしてしまった。ワタシも蚊帳の外ではないようで。
ついでですが、最近のニュースを見た限りでは、自民党の先生方もLGBTへの差別、偏見を克服する訓練プログラムが必要なのでは?
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
Facebook: Toma Toshiki
夏に入り始めたアイスランド ガルザー教会
始めに、前回書きましたユーロビジョン・ソングコンテストについて。
結果としてアイスランド代表ダージィ&ガグナマグニズの歌う「10Years」は四位に入賞しました。優勝はイタリア。
メンバーにコロナ陽性者が出たダージィさんらは、木曜日の予選に引き続き、土曜日の本戦でもステージに立つことができず、ビデオでの参加となりました。
ユーロビジョンに関心のないワタシは、三時間に及ぶ生中継の中で、最後の二十分だけを見ました。各国からの得点が集計されるパートの最終ステージです。この部分で、アイスランドは一時トップに立ったのですが、残念。四位で終了。
でもアイスランド人たちは満足して拍手を送っていました。私は知らなかったのですが、ガグナマグニズの三人いる女の子のひとりはダージィさんの奥さんだそうで。この方、帰国してからコロナの陽性になってしまいました。
早く回復されますよう。
さて、この二週間ほど、私自身も多少不自由な生活を体験してきました。「外見で人を判断してはいけない!」とはよく言いますが、実際にはそうはいかない部分もあります。
実は二週間くらい前の朝、起きて洗面所の鏡を見てびっくり。右目の鼻に近い方の半分に出血があったのです。かなり真っ赤。
これ「結膜下出血」といって、結膜下の毛細血管からアクシデント的に出血するものです。鼻血と同じようなもんです。痛くもなんともないので、本人は鏡を見るか、他人が指摘してくれるまで気がつかないことが多いのです。
私自身、初めてのことではなく、過去十何年間で三回目のことです。普通は一週間くらいでもとに戻るのですが、今回は出血が右目の鼻に近い半分から、白目の部分全体に拡散してしまいました。
目が赤くとも可愛い カイフォルニア・ラビットちゃん
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結果は... 文字通り「真っ赤な目」。本人は痛みもないし、痒みもない。視野も普通。なので、全然困らないのですが、問題は人を驚かしてしまうことです。
驚かせ方にも二通りあります。職場の人などは赤い目を見て「どうしたの?怪我?」とか「痛くないの?」とか心配や同情の念付きの驚きです。
心配させてしまっては申し訳ないので、こちらも「結膜下出血だから、病気じゃないし、痛くもないし大丈夫。鼻血と同じだけど、鼻血は拭えるけど、目の中は拭えない。だから消えるまで待つしかない」と説明を準備。
「結膜下出血」ってなんて言うのだろ?英語ではsubconjunctival hemorrhageというのだそうです。これは覚えるのが大変だな、と思い、別名のhyposphagma という短い名称を暗記しました。
これは知り合いの中での話し。町中やお店等では別の驚かせ方をしてしまいます。要するに赤い目は「不気味」なのです。スターウォーズのダースマウルかデビルか?みたいな。
赤い目はなんとなく「不吉なもの」という変な相場が世の中には出来上がってしまっているのです。これこそ外見による偏見ではないか?可愛いうさぎちゃんたちを見よ! 赤い目が多いではないか!
「それはうさぎだからだ」なるほど。私はうさぎではありませんし、うさぎのふりをしてバーニーになったら、不気味を通り越して「アブナイ」になります。
スターオォーズのダースマウル 赤いのは目よりも顔か?
Myndin er ur Starwars.com
そこで、人前に出る時はお定まりのサングラスをかけることにしました。困ったことに私のグラサンは眼鏡仕様で度が入っています。運転中に使うために作ったものなので。
それを室内とかでかけていると、今度は手元が見えないのです。で、かけたり外したりしなければならず、これは面倒。度の入っていない安いサングラスをひとつ買おう、と思い薬局へ。こちらの薬局には、必ず安い老眼鏡と(こちらでは読書グラスといいいます)、サングラスを売っています。
「眼帯という手もあるか」と思い立ち、眼帯も見てみたのですが、薬局にある眼帯は黒のみ。しかも三角っぽい。日本にあるような白くてスクエアなもの、つまり目を痛めています、という風のものはなし。
黒で三角っぽい眼帯。想像できます?付けたらもろ「海賊」ですよ。安かったので、それでもひとつ買って試してみましたが、自分でも噴き出してしまいました。しかも、片目になると遠近感がなくなってしまうので、チョー不便。
というわけで、やはりグラサンの方がいい。薬局ではいいものがなかったので、100円ショップへ行きました。そこでまあ、満足のいく、そんなに色が濃くないものを700クローナで購入。100クローナじゃないじゃないか。まあ、いいや。
片目のルフィー
Myndin er ur onepiece-log.com
とにかく、屋内ではそのグラサンをして過ごすようになりました。
それでも、面倒はあります。会議や集会などでは、いちいち「サングラスのままですみません。目にトラブルがありますので... 」と釈明。まあ、アイスランドではそれほど服装等とんちゃくがありませんので、こちらが思うほど周囲は気にしていないことでしょうが、やはり日本人のメンタリティ的に釈明義務を感じてしまうのでした。
二週間以上経って、ようやく右目は「悪魔的な赤」から「ちょっと目が赤いよ」程度まで回復してくれました。やれやれ。まったく。目が赤いくらいで、これだけあたふたしなくてはならないとは...
ですからねえ、それを考えると、やはり「外見によるものごと、特に人についての判断」というものは普段から考えておく必要がありますね。「偏見を持ってはいけない」という教えには皆賛成するでしょう。
それでも見慣れないものを見るとつい反応してしまう、というのが人の常でしょうし、ある意味では仕方ないことかもしれません。ただ、その部分も訓練をすれば矯正できるものだと考えます。
私などは、こういう体験を軽い調子でお話しすることができますが、目に見える身体的特徴、外傷や障害を持っている方々にとっては、日々直面している大きな問題だろうと想像します。
そういう問題を理解していない人たちが、悪意はなくとも他者を傷つけることがあったとしたら、それはやはり偏見、差別に陥ってしまっていることになります。偏見、差別と善意、悪意は異なる次元に属するものです。
LGBTのレインボーフラッグ
Myndin er ur Wikipedia.org
ですから、「外見で人を判断するな」だけでは十分ではなく、「外見で判断される側」の問題や苦労を学び、「外見だけで判断しない」ような態度を持てるよう訓練する必要があるのではないでしょうか?
こういうことって、意識的にプログラムしないと、自然にはやってこない部類の問題だと思うのです。
アメリカの一部の警察では、黒人の人への差別を持たない態度を育成するための、非黒人警察官への教育プログラムを始めたと聞きました。そういう差別、偏見を克服するプログラムの必要性は、BLM関連だけに限られたものではないでしょう。
と、ここまで書いていて、自分で気がついたのですが、だいたい結膜下出血で赤い目をしたワタシ自身が「サングラスをかけよう」と思うことこそ、「外見で判断している」ことの見本ではないか?逆側からですが。
「見かけで判断するな!」と確信があるなら、赤い目でも青い目でもそのままで通すのが筋だろうが。正論だなあ...
うーん、結局、問題は自分自身へとブーメランしてしまった。ワタシも蚊帳の外ではないようで。
ついでですが、最近のニュースを見た限りでは、自民党の先生方もLGBTへの差別、偏見を克服する訓練プログラムが必要なのでは?
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
Facebook: Toma Toshiki
がお勧めです。
コメントと映画の情報をありがとうございます。
m(_ _)m
LGBTのようなトピックは、絶対に学びというか研修、教育が必要だと思います。
こちらでは、そのような教育は小学校からするようになっています。
ワクチン、本当に早くいきわたるといいですね。
LGBTのようなトピックは、絶対に学びというか研修、教育が必要だと思います。
こちらでは、そのような教育は小学校からするようになっています。
ワクチン、本当に早くいきわたるといいですね。