レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

Don’t you see? ラジオなんて...

2020-10-04 00:00:00 | 日記
十月に入ったレイキャビクよりこんにちは。月日の流れが年(歳)ごとに加速していると感じていましたが、今年は三月以来のCちゃんのゴタゴタのせいか、とりわけ速くなったように思えます。

その中で、志村けんさんや、岡江久美子さんがまだ若くして世を去ったことは残念ですし、また夏には三浦春馬さんのニュースでとてもびっくりさせられました。

そしてまた、今度は竹内結子さんの訃報。自殺の疑いが強いということで、三浦春馬さんの時と同じく、本当に「なぜ?」という疑問は自然に出てきてしまいます。

それ以上立ち入ることはできませんが、魂が安らかであること、また残されたご遺族に慰めと支えがあることを祈ります。




今回はアイスランドの「秋感」特集 


さて、世界中で「特例」となってしまった今年の夏でしたが、もちろんCちゃんを離れても、良いこと残念なことの双方があったことと思います。私の場合、良かったことは超怠惰な夏休みを二週間も取れたことでしょうか?

その反面、残念なこともありました。今回はその過ぎ去りし夏の、「ほろ苦い」残念な体験についてです。とは言っても、この歳になりますと青年期のようなロマンス関係ではありません。悲しいかな。

残念なこと。それはラジオでした。

アイスランドは人口約三十六万人の小国です。ですから、日本と比べるとすべてが身近にあるといって良いと思います。大統領や大臣連中もそうですし、新聞、テレビ、ラジオ等のマスコミも身近にあります。

東京にいた頃でも、街中でのテレビのロケ等に行き当たったことは一度二度くらいしか記憶にありません。それでも少し地方に移って、例えば札幌では街頭からの生中継なんかも日常的に見かけることができます。

というか、正確には「いつ、どこで」街頭中継をしているかわかっている、というのが正解でしょうか?

たとえそうだとしても、なんといいますか、やはりローカル局ならではの「身近さ」というものが感じられる気がします。そういう「身近さ」がここアイスランドではフツーなわけです。

ですから、ここではフツーの人が新聞の記事になったり、ニュースネタになることもマレではありません。フィリピンで台風の大被害が出ればフィリピンの人がインタビューに答えますし、日本からのカップルがこちらの教会で挙式をすれば、その様子がそのまま新聞を飾ったりすることもあります。

逆にいうと、新聞やテレビのニュースに登場する機会があったとしても、別に自慢するようなことではないということになります。ただ、フツーの人であっても、もちろんメディアへの登場機会が多い人と少ない人の違いはあるでしょう。




先日の土曜日の午後 カラッポのダウンタウン


私自身、移民牧師ととしてかなり積極的に発言してきましたので、それなりに新聞のやテレビのインタビューを受けることがありました。

で、新聞というのは活字のメディアですので、これは受けるのがかなり楽です。インタビュアーの人に分かってもらえるようにあれやこれや説明を繰り返すことができますから。

テレビのニュースのインタビューなどは「しゃべり」なのでハードルが高いのですが、基本的に短い時間が多いですし、録画が普通なので、あまりに出来がひどかったら取り直してもらうことも可能です。あとはカット編集。

私の経験では難しいのはラジオです。ラジオはほとんど「生」が普通ですし、短いといっても十五分程度はあるものです。しかも、何かしゃべらないと始まらない。緊張します。

実はラジオにはもう何十回も出てしゃべる機会がありました。ほとんどの場合、「何について」というトピックが決まっています。例えば、東日本大震災で日本へのチャリティへの協力を求めるとか、難民支援のための音楽会の宣伝をする等の場合です。

そういう時には、私は必ず言いたいことのポイントを、紙に書いて事前に頭に入れるようにしていました。もちろん、これらはアイスランド語でなくてはなりません。その場でうろたえないように、事前に作文しておくのです。

それでも、実際にしゃべり終えてみると、「言い間違った」「ああ言えば良かった」とか反省点ばかりで幻滅するのが常でした。今どき、ラジオはネットで後から聴くことができるものなのですが、自分が出た番組とかは聴いたことがありません。聴くに耐えないから。




これは国定公園シンクヴェットゥルの秋


で、この八月なのですが、国営放送のRUVからラジオへ出てくれと依頼がありました。これは英国人のエイブという男性がホストで、アイスランドで活躍する外国人と「アイスランド語で」チャットするという夏季限定のある種特別企画でした。

「活躍する」仲間に入れてくれたのは嬉しいのですが、問題はこれが「徹子の部屋」的なフリートークでテーマがないこと。録音で生ではなかったものの、かなりハードル高いです。

聞けば五十分番組で時間も長い。それでも「好きな曲を五曲かけるから」とかで、それで二十分は消えることでしょう。それでも残りは三十分か。

それで、私はエイブさんに事前に、私が考えていることの多少のレジュメを先に送りました。ついでに「どういうことを聞きたいのか、こちらにも事前に教えてくれ」と頼みました。

難民支援 のための音楽会の紹介のためにラジオに参加するのであれば、そのトピックが人の興味を引くかどうかということです。ですが、今回のようなフリートークでは、話しがつまらなければ、「お前がつまらない」ということになってしまいますから、こちらもそれなりに準備しないと。

ところがエイブのヤロー(失礼)は、何も知らせてこず。しつこくねだることもしたくなかったので、そのまま収録へ。しかもその頃には、この番組が全七回中、六回が北米または欧州からの白人ばかりを招いていたことがわかり、なんとなく私の番組への期待値は減少中。募集してもアジアやアフリカからの移民の人の参加OKをもらえなかった可能性はありますが。まあ、今の時点では引き出しにしまっておきます。

事実として「非白人」のゲストは最終回の私だけ。その頃にはエイブ(「さん」なし)も、飽きがきていたのかも。きちんとした打ち合わせをすることもなく、録音が始まり、案の定、つまらない質問の連続。

「アイスランドに来た理由は?」そういうことはもう十回以上あちこちで話してきたぞ。「日本の教会と、アイスランドの教会の違いは?」そんな話し、聞きたいのは教会の中にだってちらほらしかいないよ。

自分がアイスランド語を習いながら子供たちに日本語を教えること、アイスランド社会での外国文化の受容の仕方の二十年前と今の違い、とかこちらが示しておいたトピックはすべてスルー。

結局、そんな調子で終わってしまい、私としてはこれまでのラジオ経験の中でも最悪の範疇にはまるものとなってしまいました。

ホストが、自分の番組を面白くしようと努力しないのなら、もうお手上げですね。まあ、優しい目で見てあげて、努力していたのかもしれないとしても、結果として「足りなかった」ということです。




マイ・ホーム教会の秋


いやあ、このラジオ出演にはがっかりしました。当然、ネットで聴いてもいません。番組について、誰かに話すこともしませんでした。つまらなかった番組に出て、人から「つまんない奴」と思われるのはワタシ。被害はミニマムに抑え込まないと。

それでも、ひとつだけ良かったことがありました。リクエスト曲にZardの「Don’t you see?」を入れたこと。アイスランドでこの曲が流れるのは、多分これが初めてではないかと... ?

まあ、坂井泉さんの歌声が流れたのであれば、それだけでもこの番組の存在価値はあった、ということですよ。Don’t you see?


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is
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