レイキャビクでは夏休みの期間の真最中となっています。気のせいではなく、街中の車の交通量も普段より少なくなっているようです。
そう言えば昨年の今頃は、サッカー男子のアイスランドチームがフランスで行われたヨーロッパ選手権で、世界があっと驚く目覚ましい活躍を見せていました。そのため、国民の人口の一割以上がフランスに移っていたとか。
今年はそういうフィーバーはなく、静かな夏です。少なくとも私の周りは。それでもここ二、三年は夏場にしなければならない課題が発生し、結果夏休みを取れるタイミングななかなか来ない、という問題に直面しています。
去年はいろいろあって、「夏休み」は壊滅状態になりましたが、今年はそこまでひどくはなくとも、やはりまとまった日数の休みは取れない状態できています。こちらではまる一ヶ月「休みで不在」になるのが普通なのですが、私のところでは「この日、あの日」とポツポツと日を選んでの「夏休み」となっています。
まとまった休みを取るのは難しくとも、夜通しで仕事をしなくてはならない、というほどのことはなく、幸い夜時間になれば自由時間を満喫することができます。
心のどこかでは、のんびりとした休みを求める気持ちがあったようで、のんびり気分を与えてくれるテレビシリーズをここのところ「夜の楽しみ」としていました。
ちょっと古いシリーズで、ご存知ない方も多いと思うのですが、90年から91年にかけて放映されたアメリカの番組で「Twin Peaks」というシリーズです。
その二年間で放映されたのはシーズン1と2だったのですが、実は今年2017年の夏、今現在、アメリカでは25年ぶりにシーズン3が制作され放映されています。
Twin Peaksへようこそ
Myndin er ur Wikipedia.com
「Twin Peaks」はかなり高い評価を得た番組で、いわゆる「通(ツウ)」を生んでいます。物語りの随所にいろいろな哲学や知恵が散りばめられているとかで、分かる人にはたまらない作品のようです。
私なんぞは、まったくそのレベルには達していないのですが、そういう凡夫が見ても面白い物語りです。
蛇足ですが、この物語りの脇役としてデビッド·ドカブニーが麻薬捜査官役で登場し、また物語りの展開からも一種のスピンオフ的な仕方で生まれて行ったのが、あの人気シリーズの「X-Files」です。
Twin Peaksの物語りの舞台となるのは、カナダ国境に近いワシントン州の小さな架空の町Twin Peaksで、周囲を高いDaglas-fir(ベイ松)の深い森林で囲まれており、人口は五千人強。町には皆が集まるパブが一軒、食事も取れるカフェのダイナーが一軒と、テレビ上ではさらに小さな町に見えます。
その小さな町で、十七歳の女子高生ローラ·パーマーの他殺体がある日発見されます。ローラは町のコンテストのクイーンでもある、人気のある女の子でした。
この事件が町全体にいろいろな影響と騒動を起こしていきます。FBIから捜査官のクーパーが派遣され町のトルーマン保安官と事件解決へ向けて働き始めるのですが、捜査の過程で、町の人々の様々な秘密や繋がりが明らかにされていきます。
というわけで、始まりは思いっきり悲しい雰囲気で包まれているのですが、徐々にシニカルな皮肉やギャグが連発されていきます。実際「あり得ない」ような不思議なハプニングも多数あり、下手をすればつまらない喜劇になってしまったでしょうが、それが全体としてはシリアスなストーリーの緊張感を保ったまま展開していくのです。
ローラの殺人事件はシーズン2の半ばで解決しますが、その後もいろいろなエピソードが展開します。そしてその最中に、殺されたローラが不思議な世界の中でクーパー捜査官に「私は二十五年後に、あなたとまた会うわ」と言う場面があり、そのセリフを受けて、今年のシーズン3の放映となったわけです。
まだ見てはいませんが、クーパー捜査官を始め、多くのキャストがそのままの役で再登場しているようです。
で、なぜかこの番組は私には「癒し」を与えてくれます。のんびりとした美しいテーマ曲、深い森林と滝のある風景、誰もが知り合いであるような小さなコミュニティ、「近所にあったらいいなあ」と思わせられるダイナー(とそこの綺麗なママ)、シリアスな中にも笑わせるエピソード等々が「癒し」の理由だと思います。
特にTwin Peaksの自然は癒し感の大きな要素でしょう。この自然はある意味北欧の自然にとても似ています。アイスランドには高い木の森林はありませんので、多少ずれますが、それでも自然と住民の近さと言う点では、非常に親近感を覚えるものがあります。
実際、物語りの中でも自然は大きな役割を果たしており、(私が理解した限りでは)直接的な仕方では描かれてはいないものの、自然と対峙する人間の生き様を通して「自然は人間にとっての何であると理解するか?」と言うメッセージが根底に流れていたと思います。
物語りの重要な舞台のホテルとその前の滝 実際に高級ホテルだそうです
Myndin er ur Salishlodge.com
その自然の中に暮らす人々、自然の中に潜む邪霊、自然の中に門を開ける異次元の世界、自然の中に戻る人間等々がTwin Peaksの物語りの基盤になっているのです。
まあ、これはあくまで「私の」解釈ですよ。ツーの人から罵倒されたくありませんから。(^-^;
アイスランドも自然はすぐそこに豊かにあるのですけどね。なかなかその自然の中へ自然を堪能するためにだけゆっくり出かけていく機会というものはありません。
これは言い訳で、自分で機会を作ろうとしないから、機会がないままで過ぎて行ってしまっているだけのことです。もったいないことですね、確かに。テレビを通して自然を眺めるよりは、実際に出かけって言った方が、よほど「生で」「フレッシュ」なんですけどね。
というわけで、この夏が過ぎる前にもう少し休みの日を取れるようであれば、自然に触れ合いに行ってこようかな、という気分になってきました。いつまで持続するかわかりませんけどね。
皆さんも、もし機会がありましたら「Twin Peaks」見てみてください。好きな人は、きっとものすごく好きになることでしょう。面白いと思わない方は...
別の作品を試してください。(*^^*)
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
そう言えば昨年の今頃は、サッカー男子のアイスランドチームがフランスで行われたヨーロッパ選手権で、世界があっと驚く目覚ましい活躍を見せていました。そのため、国民の人口の一割以上がフランスに移っていたとか。
今年はそういうフィーバーはなく、静かな夏です。少なくとも私の周りは。それでもここ二、三年は夏場にしなければならない課題が発生し、結果夏休みを取れるタイミングななかなか来ない、という問題に直面しています。
去年はいろいろあって、「夏休み」は壊滅状態になりましたが、今年はそこまでひどくはなくとも、やはりまとまった日数の休みは取れない状態できています。こちらではまる一ヶ月「休みで不在」になるのが普通なのですが、私のところでは「この日、あの日」とポツポツと日を選んでの「夏休み」となっています。
まとまった休みを取るのは難しくとも、夜通しで仕事をしなくてはならない、というほどのことはなく、幸い夜時間になれば自由時間を満喫することができます。
心のどこかでは、のんびりとした休みを求める気持ちがあったようで、のんびり気分を与えてくれるテレビシリーズをここのところ「夜の楽しみ」としていました。
ちょっと古いシリーズで、ご存知ない方も多いと思うのですが、90年から91年にかけて放映されたアメリカの番組で「Twin Peaks」というシリーズです。
その二年間で放映されたのはシーズン1と2だったのですが、実は今年2017年の夏、今現在、アメリカでは25年ぶりにシーズン3が制作され放映されています。
Twin Peaksへようこそ
Myndin er ur Wikipedia.com
「Twin Peaks」はかなり高い評価を得た番組で、いわゆる「通(ツウ)」を生んでいます。物語りの随所にいろいろな哲学や知恵が散りばめられているとかで、分かる人にはたまらない作品のようです。
私なんぞは、まったくそのレベルには達していないのですが、そういう凡夫が見ても面白い物語りです。
蛇足ですが、この物語りの脇役としてデビッド·ドカブニーが麻薬捜査官役で登場し、また物語りの展開からも一種のスピンオフ的な仕方で生まれて行ったのが、あの人気シリーズの「X-Files」です。
Twin Peaksの物語りの舞台となるのは、カナダ国境に近いワシントン州の小さな架空の町Twin Peaksで、周囲を高いDaglas-fir(ベイ松)の深い森林で囲まれており、人口は五千人強。町には皆が集まるパブが一軒、食事も取れるカフェのダイナーが一軒と、テレビ上ではさらに小さな町に見えます。
その小さな町で、十七歳の女子高生ローラ·パーマーの他殺体がある日発見されます。ローラは町のコンテストのクイーンでもある、人気のある女の子でした。
この事件が町全体にいろいろな影響と騒動を起こしていきます。FBIから捜査官のクーパーが派遣され町のトルーマン保安官と事件解決へ向けて働き始めるのですが、捜査の過程で、町の人々の様々な秘密や繋がりが明らかにされていきます。
というわけで、始まりは思いっきり悲しい雰囲気で包まれているのですが、徐々にシニカルな皮肉やギャグが連発されていきます。実際「あり得ない」ような不思議なハプニングも多数あり、下手をすればつまらない喜劇になってしまったでしょうが、それが全体としてはシリアスなストーリーの緊張感を保ったまま展開していくのです。
ローラの殺人事件はシーズン2の半ばで解決しますが、その後もいろいろなエピソードが展開します。そしてその最中に、殺されたローラが不思議な世界の中でクーパー捜査官に「私は二十五年後に、あなたとまた会うわ」と言う場面があり、そのセリフを受けて、今年のシーズン3の放映となったわけです。
まだ見てはいませんが、クーパー捜査官を始め、多くのキャストがそのままの役で再登場しているようです。
で、なぜかこの番組は私には「癒し」を与えてくれます。のんびりとした美しいテーマ曲、深い森林と滝のある風景、誰もが知り合いであるような小さなコミュニティ、「近所にあったらいいなあ」と思わせられるダイナー(とそこの綺麗なママ)、シリアスな中にも笑わせるエピソード等々が「癒し」の理由だと思います。
特にTwin Peaksの自然は癒し感の大きな要素でしょう。この自然はある意味北欧の自然にとても似ています。アイスランドには高い木の森林はありませんので、多少ずれますが、それでも自然と住民の近さと言う点では、非常に親近感を覚えるものがあります。
実際、物語りの中でも自然は大きな役割を果たしており、(私が理解した限りでは)直接的な仕方では描かれてはいないものの、自然と対峙する人間の生き様を通して「自然は人間にとっての何であると理解するか?」と言うメッセージが根底に流れていたと思います。
物語りの重要な舞台のホテルとその前の滝 実際に高級ホテルだそうです
Myndin er ur Salishlodge.com
その自然の中に暮らす人々、自然の中に潜む邪霊、自然の中に門を開ける異次元の世界、自然の中に戻る人間等々がTwin Peaksの物語りの基盤になっているのです。
まあ、これはあくまで「私の」解釈ですよ。ツーの人から罵倒されたくありませんから。(^-^;
アイスランドも自然はすぐそこに豊かにあるのですけどね。なかなかその自然の中へ自然を堪能するためにだけゆっくり出かけていく機会というものはありません。
これは言い訳で、自分で機会を作ろうとしないから、機会がないままで過ぎて行ってしまっているだけのことです。もったいないことですね、確かに。テレビを通して自然を眺めるよりは、実際に出かけって言った方が、よほど「生で」「フレッシュ」なんですけどね。
というわけで、この夏が過ぎる前にもう少し休みの日を取れるようであれば、自然に触れ合いに行ってこようかな、という気分になってきました。いつまで持続するかわかりませんけどね。
皆さんも、もし機会がありましたら「Twin Peaks」見てみてください。好きな人は、きっとものすごく好きになることでしょう。面白いと思わない方は...
別の作品を試してください。(*^^*)
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