本日6月定例会最終日に現状の町立プールを廃止とする議案が賛成多数で可決されました。本件については今年の3月議会における
町長の施政方針で「老朽化が著しく安全かつ快適な運営を継続することが困難であるため、本年度は開設を見送ることとし、既存の
公共施設の活用など必要な対策を講じる」とのことでした。
私もその時点では止む無しと判断していました。判断の理由は開設後58年、老朽化のうえ茨木保健所から毎年のように指摘を受けて
おり、改修して再開するにも相当な金額が要ることと当該地が借地であることからここは一旦返還して来年度の賃料が発生しないように
するのが妥当と考えたからです。このことは私の4月発行「とのむら通信Vol.20」にも書きました。
当然その際には早々に町の意向を学校、児童、保護者など関係者に伝えてそれに代わる代替案(学校のプールを使う等の運営案を提示して
要望意見を集約、その結果をベースに当面の方策と将来展望(緑地公園建設時予定していたプール用地への新設を検討するのか等)を説明
して後、撤去に向けての準備に取り掛かるというのが筋である。
しかし施政方針発表から本日までの役場及び教育委員会の進め方は正に住民、利用者不在の対応ぶりであった。3月には学校を回って開設
見送りの説明はしたものの、すぐさまそれに対する反応や意見要望を集約したり、アンケートを実施するなどしていなかった。
今になって慌てて(6月10付住民有志27人からの説明会要求書に対して)先週末に説明会を実施したという驚くべき泥泡式の対応である。
これでは広く住民説明会を実施したということにはならない。ほんの一部の人達だけに迫られてやったに過ぎない。
確かに4月1日号の広報には町長施政方針の一部としてわずか3行余りの開設見送り方針が記載されているが、それでは本当に必要な人に
的確に伝わる訳がない。結局住民有志の方々の説明会開催要望書でも「今後どうなるかについて住民は殆ど知らされていない」と言って
おられる。
とにかく進め方が完全に間違っている。今日の議会においても教育委員会の幹部は「方策が定まらなかったから広報出来なかった」と
言い訳をしていましたが逆なのです。方策のヒントや解は住民や利用者が持っているのです。先ずは児童や保護者の意見や要望を聞く
という原点を忘れている。役場理事者だけの考えに基づいてベストな答えを出そうとするから本当のニーズとマッチしない答えを出す
ことになってしまうのである。今日の議案にはプールに代わる代替案として提示された「夏休みこどもの居場所づくり案」でも勝手に
あれこれ知恵を絞った結果でしょうが、本当にこどもたちがプールの代わりとして望むメニューかどうか疑わしい。それはちゃんと
プールが使えない事情を説明したうえでアンケートなどに基づくものでないから。なぜそうした手順が踏めないのか。仕事の進め方、
目線が間違っている。
いずれにしても本日の会議だけでプール廃止を決めるのは拙いとして、一旦委員会付託して更に詳細の審議をすべく動議を出したが
否決され、採決となってしまった。結果は賛成多数(賛成9、反対4)でプール廃止案は可決。
私は現状のプールに関しては諸々の状況から判断して廃止はやむを得ないと判断していますが、長年多くの子供たちや島本町民に親しまれ、
愛着のある森の中のやすらぎを感じる町民プールをどんな事情にせよ廃止するという重たい結論を出すのに一度もその苦渋の結論を出すに
至った背景や当面の代替策、先の展望と方向性について住民に対して説明会も開かないで議会でいきなり採決を迫るというやり方はおかしい。
こんなやり方で住民の皆さんの理解が得られるわけがない。行政への不信を招くだけである。
住民との合意形成のプロセスも無ければ説明責任も果たしていない。これでは「まちづくり基本条例」の精神が形骸化したも同然である。
と縷々理由を述べて反対した。皆さんはどうお感じでしょうか。
尚今月15日号の広報2面にプールの開設見送り、廃止の方向についての記事が掲載されています。今頃です。しかも一方通行の告知だけです。
上の画像は先週視察した町立プールの様子です。大プールの方は自然漏水で殆ど水が抜けていました。