肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『オーメン666』、観ました。

2007-01-01 20:13:56 | 映画(あ行)


 『オーメン666』、観ました。
6月6日午前6時、アメリカ人の若き外交官ロバート・ソーンは、ローマの病院で
妻ケイトが産んだ赤ん坊が死亡したことを聞かされる。すると、病院の神父が、
出産中に命を落としたある母親の赤ん坊を差し出し、その子を引き取るように
勧めてくる。その子の名はダミアン。幸せに育てられる…はずだったが。
 「リメイク映画」と聞いて、かなりの高確率で“駄作”を予感したアナタ…、
同じくオイラもその一人(笑)。だから、過度な期待は封印して、小学生の頃
観て震え上がった『オーメン』の、単なるノスタルジックとして観たわけだが、
映画は良い意味で派手さを抑えた“丁寧な作り”で感心した。まぁ、一般に、
この手のリメイク映画でよくある失敗例は、最新のデジタル映像やら、必要
以上の過激描写に走り過ぎてしまって、本来オリジナル版だけが持っていた
長所までぶち壊してしまうこと。ただ、今作では、そういったものやショッカー
描写にほとんど頼ることなく、大きな黒い犬、赤い車輪の三輪車、隙間なく
壁に貼り付けられた聖書のページなど、様々な小道具やシチュエーションを
使って“悪魔の見えない力”を演出する。そして、あどけない子供の仮面の
下に隠された“邪悪な悪魔の本性”がチラチラ顔を見せるたび、オレは体の
底から湧き上がる“底知れぬ恐怖”に震撼する。このあたりは見事に、本作が
オリジナル版の特長を受け継いでいるのがよく分かる。しかも、実はこの映画、
単なるコピーにあらず、オリジナルの三部作、最初の2作品をブレンドして、
良いとこ取りでコンパクトにまとめ上げたものだというから、尚の事、嬉しく
なってくる。こうなりゃ、いっそ、オリジナルでは“スカ”だった3作目を、
この監督、このキャスト、このスタッフで再びリメイク??…、いや、この際、
リメイクなんかに拘(こだわ)らず、大幅にストーリーを付け変えてでも
“本当の完結編”を作り直して欲しいくらい。だって、(すでにオリジナルを
観てて)分かっちゃいても、今回の、あのラストシーン…、改めて、その続きを
観たくなったのは、きっとオイラだけじゃないと思うのだが。



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