肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『ナイロビの蜂』、観ました。

2007-05-23 21:59:59 | 映画(な行)





監督:フェルナンド・メイレレス
出演:レイフ・ファインズ, レイチェル・ワイズ

 『ナイロビの蜂』、観ました。
アフリカの太陽のように情熱的な妻テッサと、イギリス庭園のように秩序正しい
英国外交官の夫ジャスティン。お互いを尊重するという名目で、テッサの人生を
外から眺めていたジャスティンは、妻が死んで初めて彼女に踏み込んでいく‥‥。 
 ぶっちゃけちゃうとこの映画、レンタル屋さんに行けどもなかなか手が伸びず
(多分、それはDVD表紙を見て受けた“ベタな恋愛もの”のイメージが拭い切れ
なかったせい??)、どうやら“スルー”が濃厚かと思われた丁度そのときだった、
ひょんなことから“フェルナンド・メイレレス監督作品”の文字が目に留まった。
何を隠そう、彼の前作『シティ・オブ・ゴッド』こそ、オイラがここ数年来で
“最も衝撃を受けた映画のひとつ”なのだ。とすれば、知った以上はコイツを
見逃す手はあるまい(笑)。遅ればせながら、俄然、観る気が湧き上がって
きたわけだ。
 では早速、オイラの“正直な感想”を書くとしよう。アクロバティックな構成と
スタイリッシュ映像、ぐいぐいと畳み掛けるスピード感、更にそれに加えて
今作では、胸締めつられるような愛の痛みまで…。なるほど、本作が『シティ・
オブ・ゴッド』を作り出した監督のものであるのはよく分かる。ただ、どうなんだろう。
彼の、その新旧2作品を見比べたとき明らかに違うのは、前作のバイオレンス色
から一転、今回は“ラブサスペンス”へとスタイルを変え、キャストも“無名の
ブラジル人俳優”から、レイフ・ファインズやらレイチェル・ワイズやら“ハリウッドの
人気スター”へと…。前作にあった鋭いナイフのような凶暴性はそこにはなく、
むしろ、今作ではハリウッドの豊かな資本と悲惨なブラジルの現状、その両者が
微妙なバランスの上で成り立っている、そんな印象を受けた。一方、映画では、
それにリンクするように、ブラジル人の“安い命”を実験台として、巨額の利益を
得ようと企む先進国製薬会社による“陰謀”が赤裸々に描かれていく。しかし、
その信じ難い光景に“強い憤り”を感じながらも尚、心のどこかでこれが映画の中の
フィクションだからと割り切って、“冷めた自分”がいるのは何故だろう。例えば、
高い塀に囲まれ、安全を保障された(?)庭いじりの“雑草”を抜く主人公のように…、
我ら先進諸国が考える“協力”と、現地のブラジル人が切実の望む“救済”とでは、
少なくともかなりの温度差があるのは確かなようだ。


楽天市場ランキング・売れ筋DVD邦画トップ30

楽天市場ランキング・売れ筋DVD洋画トップ30

楽天市場ランキング・売れ筋DVDアジア映画トップ30

楽天市場ランキング・売れ筋DVDアニメトップ30

Amazon.co.jp 外国映画トップ100
Amazon.co.jp 日本映画トップ100
Amazon.co.jp アニメトップ100

ぽすれんやDISCASと比べて新作・人気作が手間なく有利にレンタル。更に速達(メール便)なので到着が早い。オススメ。



最新の画像もっと見る