ル=グウィンと村上春樹が贈る“空飛び猫”第3弾。翼のないアレキサンダーと空飛び猫たちの素敵な出会い!
こうしてまたページを繰って、空を飛ぶ猫たちの素敵な挿し絵を見ているだけで、僕らの胸がわくわくしてしまうのも事実です。むずかしいことは抜きにして、空飛び猫たちや、ふつうの猫たちの冒険を楽しんでください
何不自由ない暮らしをしていた普通の子猫のアレキサンダーは、冒険にでます。そこは、トラックや、犬や、梟が襲ってくる危険な場所。
ジェーンに助けられたアレキサンダー。今度は、アレキサンダーが、口のきけないジェーンの心の傷を治します。
それにいても、なんて美しい挿絵なんだろう。過去の恐怖で全身をがたがた震えているジェーンを、しっかりと抱き留めている仕草が印象に残ります。
躍動感溢れる翼をもつ5兄姉の姿も。S.D・シンドラーの挿絵とファンタジーの世界。
物語は、現実の「生きる」ということに、その困難や喜び、自然。都会の喧噪。社会。親子。家族の情そういったものをとらえています。
ひとりぼっちは、無力な存在。だけど、出会って、助け合って健やかに成長していく過程がすばらしいんですね。
素敵な、空飛び猫の世界。また、楽しめました。