My Library

気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

CAT WINGS RETURN「帰ってきた空飛び猫」

2011-06-09 | 児童文学

ひとまわり大きくなった空飛び猫たちの新たな冒険。アーシュラ・K・ル=グウィン作
ちっちゃなもうひとりの仲間を加えて!

平和な森でののびのびと暮らすセルマ、ロジャー、ジェームス、そしてハリエットの仲よし4兄弟。喧噪の街に残るお母さんが気になって飛んでいってみると――。こわされる直前のビルのかげに小さな翼をはやした影。それがジェーン、彼らの小さな妹だったなんて。『空飛び猫』第2弾

この本はもちろんファンタジーです。そしてファンタジーというものはとても個人的なものなのです。それはあなた一人に向かって――あなた一人だけに向かって――開いたり閉じたりする窓なのです。

ある人にはうまく「はたらく」。別の人にはあるいはぜんぜん「はたらかない」かもしれません。でもそれがそもそもファンタジーというものなのです。もしなにかのファンタジーがあなたに対してとても強く「はたらいた」としたら、それは誰が何と言おうとあなたのためのファンタジーなのです。それはあなたにとって開いた窓。それが正しいか正しくないかなんて、役に立つか役に立たないかなんて、そんなのは別にどうでもいいことです。

…あなたは幸運にも、翼をつけた縞猫たちが楽しげに空をとんでいる世界に足を片方(別に両方だってちっともかまいませんが)突っ込んでいるということになるのです。あなたの肺はその世界の空気を実際に吸い込んでいるのです。あなたの目はその世界の光を実際に見ているのです。それがファンタジーの力です。(訳者・村上春樹)

ハリエットとジェームズがお母さんを捜しに都会のスラム街へと飛びたちます。

そう、羽のある空飛び猫たちの冒険。

ファンタジーかあ。訳者の村上さんが、読者が、読まずにはいられないファンタジーの世界をあとがきにかかれていますが。全くその通り、なんの役に立たない物語。だけど、わたしは、大人になっても、子どもさえ大きくなっても、自分自身の心の旅の必要性をひしひしと感じる。決して現実逃避ではないと思うの。たぶんそれは、心の栄養。ビタミン剤かもしれないな。

とっても疲れた心には、ファンタジーがよく効きます。

そう、わたし一人のために閉じたり開いたりする窓

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿