My Library

気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

日向理恵子「雨ふる本屋」

2009-04-08 | 児童文学

いらっしゃいませ。ここは、あなただけの物語が見つかる本屋さん。こんな雨の日には、ほんとうの自分に出会えるかもしれません―。

日向 理恵子
1984年兵庫県に生まれる。兵庫県在住。高校生の時に、高木理恵子の名前で『魔法の庭へ』(創元社)を出版。季節風同人

 

雨つぶ 雨だれ 雨の音 ルウ子の不思議な冒険がはじまる…。

体が弱くわがままの妹に母親を独占されてちょっとだけすねているルウ子、

妹の好物のプリンを買いに…。雨宿りで立ち寄った図書館から、かたつむりに導かれ不思議な雨ふる本屋の扉をひらく。

そこは人間に忘れられた物語と、雨でできた本がある。

人間の心も体も水からできて、嬉しかったり悲しかったり涙の雫。

悲しいものにふれてきた雨で濡らせば悲しいお話。喜びにふれてきた雨で濡らせば、楽しいお話。

迷子の物語。物語の種が、本に育たなくなったのはなぜ?

必要なのは人間の<夢の力>

ルウ子は、ほっぽり森にその謎を解くために冒険に行きます。

地図もないそこに行くには、人間の夢の力。想像力。

人間の思いから姿になった不思議な少年ホシ丸君と共にルウ子が見たものは、

色とりどりの宝石のようなもの。水に浮いて震え、燦めいている、心にそっと響く音色を奏でて…。

それを食べるバク、でもその前にかじられたあとがある。

七宝屋さんから不思議なアイテムをもらって再び、ルウ子は出かける。

そして、自分が忘れた青い種を見つける。淡く優しく光ながら、ルウ子の鼓動に合わせて、脈打つように水滴のような歌をうたう。

 

「本というのは、魂を込めて書かれている限り、すべてがスゴイ本なのだ。それを感じ取ることができるかどうかは、読み手の質にかかっているがね」フルホン氏がいう。

「つまらない種なんてないわ。物語の種には、不出来なものもあるかもしれないけど、どれだって、命がけなのよ」ルウ子はきっぱりという。

不思議な少年ホシ丸君は、青い鳥希望の星。みんなが望んでいるもの。夢見ることを望めば、いつだってみんなのところにいる。忘れられることも無いでしょう。

 

児童書だけど、私は、子供みたいにお話がすき。ファンタジーは、心。想像力を逞しく、希望や夢を運んでくる。

装丁とかタイトルとかふっと、そこにある児童書をてにとって、読むのは。

とっても、わくわくするものです。

そして、濁りのない純粋な心、いつまでも持っていたいなと。思います。

 

 



 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿