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宇野千代女の一生

2007-07-17 | エッセイ

宇野千代 女の一生桜の着物の似合うひと。いっぱい恋をしたひと。とっても長生きをしたひと…。宇野千代は明治三十(一八九七)年、山口県の岩国生まれ。名作『おはん』を生んだ作家として、モダンな着物のデザイナーとして、九十八年の生涯を夢中で駆け抜けた。その波瀾の道のりから、暮らし、食卓、ファッション、宝物、本の装いまで、“人生に恋した女”のすべてを紹介。美しく、凛々しく、幸せに生きていくことを、いま私たちに教えてくれる。

宇野千代さんと言えば桜模様のデザインで、母に日のギフトセット米寿の時にきた、桜吹雪の黒の振り袖姿、物書きのおばあちゃんというイメージでした。

一週間に1回の美容院通い、つきあっていた男の人に合わせるスタイル、斬新な着物のデザインと桜にこだわったデザインと対照的だ、お年を召されても、3食台所に立って料理を作る。食材買い物から片付けまで全てご自分でなさるという。恋人と暮らしていると時は、喜んでもらえるものを、歳を重ねてからは体によいものを、いつも楽しく考え、工夫して、心をこめて料理することが旨さの秘訣。何気ない料理のレシピも掲載される。

さまざまなヘアスタイル、自らデザインした着物姿、自宅の家具調度品、谷崎潤一郎から譲り受けた朱塗りの箪笥、ファッション雑誌「スタイル」「女性読本」「着物読本」の編集者

とにかく、宇野さんの生き方を写真で美しく編集されています。

泥棒と人殺し以外は何でもしたという宇野さんには数々の名言が多い。

・箪笥でも机でも全部古いものばかりである。自分の体になじんでいるものが、一番よいように思われる

・お洒落は文明人の義務である。お洒落しないのは、泥棒よりひどい

・何故、桜の花が好きかって?一言で言えば、その単純明快な形の美しさですね。五弁の花びらの形作るこの単純明快な歯切れのよい美しさに惹かれるのです。桜のその単純な美しさはデザインによって、さまざまな表情を生むのですね。そこにつっ込んでもつっ込んでも飽きることのない深さ、面白さを感じるのです。

・小説は誰にでも書ける。それは毎日、ちょっとの時間でも、机の前に座ることである。昨日は座ったが、今日は座らない、と言うのではなく、毎日、座っている中に、何か書ける、と言う教えなのです。

・人間は何でもできる。才能は情熱でカバーできる

・自分を褒めてくれる人のそばに寄りなさい

・自分が惜しくてたまらないものをあげなさい

・麻雀を知らない人は哀れだ。麻雀があるから小説が書ける。

・時間を守るのが文明人の義務

・私は幸せ、昔も今もこれからも。幸福は幸福を呼ぶ

・涙を流すか流さないかなんて、要するに涙腺の問題なんだよ

・お洒落をする、或いは気持ちよく身仕まいをすることは、生きて行く上の、生き甲斐でもある。ちょっと大袈裟に言うと、人としての義務である。お洒落は自分のためにだけするのではなく、半分以上は、自分に接する人達の目に、気持ちよく映るように、と思ってするのだから。

・私には、アメリカも日本もなかった。ただ、自分の好きなもの、自分の今美しいと思っているものだけに、意識を集めてデザインした

・貴方が何事をでも、理解することを望むのであったら、ただ、ただ、そのもの自身のことを、とことんまで尊敬することである。

・決められた場所に、決められたように置かれているというのも私の安心の1つ

・単純明快が美しさの原点



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