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著名なお三方が、学校について語っています。
宮台真司氏は、若者に絶大な支持を得ている社会学者。本書では、時に過激に、現在の教育行政や教員組合を非難し、東大教授の 佐藤学 氏、心理学者の 林道義 氏、漫画家、小林よしのり 氏らを無教養とののしります。
藤井誠二氏は、最近ラジオのパーソナリティーをされていて、意見を聞く機会が多いのですが、ここでは、個々の犯罪や校内問題などを徹底的に調べ上げた上で、その問題行動に至るように仕向けている学校システムを批判します。
内藤氏は『 ニートって言うな 』 でご存知の方も多いでしょうが、独自の教育システムを提案し、結果の平等ではなく機会の平等を貫徹できるシステムを追及します。
本書では、宮台氏が中心的存在でしょうか。私は、宮台氏が痛烈に批判する“共同体主義者” 佐藤氏、林氏、小林氏の著作、いずれもどちらかといえば、興味を持って読んでいますので、宮台氏の考えとは異なります。
宮台氏は別の著作でも、“論争には負けない” というようなことを豪語していましたが、確かに、豊かな知識に裏打ちされた理屈になかなか反論できないなと思っていたところ、『 不自由論 』 の仲正昌樹氏が、本書に言及し、以下のような趣旨で矛盾を突きました。
“宮台氏は、右も左も日本の論壇は「共同体主義者」に支配されていると批判するが、宮台氏こそ、その本でリベラル主義者たちの共同体設立を宣言しているではないか”
その通り、なるほどと思った次第で、それが私が感じた違和感だったかもしれません。
お3人はフィールドワークや個人的経験から、学校が嫌悪の対象となっていますが、学校や共同体(集団)というものをあまりにも“本質的な悪”のようにとらえ過ぎている印象を持ちます。また、この3人の提示する(別々ですが)マクロの教育システムは、抽象的なものにとどまっており現実味に欠けます。
が、それでも、本書は多くの人々にぜひ読んでいただきたいと思います。3人のミクロの問題に対する調査力、原因分析能力はすばらしく、決して後付けの説明ではありませんし、歴史的背景も踏まえており刺激的だと思います。
そして、その対策として示されている案はリアリティーにかけるとは言っても、教員や教育行政担当者が見れば、自分の考えを疑う良いきっかけになると思うからです。現在、学校を語る上で、右、左の対立軸だけではとても済まない状況に陥っていると痛感します。
先日も『 学校が泣いている 』 をご紹介しましたが、確かに、ひどい学校もあります。しかし、よほど安心できるシステムがない限り、学校を無視するのではなく、再生するしかないと考えていますが、いかがでしょうか。
![]() | 学校が自由になる日雲母書房詳 細 |
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『 学校が自由になる日 』 宮台真司、藤井誠二、内藤朝雄
雲母書房:333P:1890円
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教育って難しいですね、私が昔小学校のPTAの会長をしていた時は先生なんて全然プレッシャーを感じていなかったし、父兄との関係もすごくよかったですよ、会合があれば先生を誘って飲みに行ったり、先生も安心して付き合っていましたから、でも今は違うのでしょうかね、残念ですよね。
でも地方は都会と違ってまだお互いに協力し合う楽しいPTAと言うイメージがあるみたいです、先般も後輩が遊びに来て話をしましたが雰囲気はいいみたいです、今だからこそもっと父兄のバックアップが必要だと思うのですがほんとうに若い熱意のある先生がいるそうですよ、どうも悪いことばかりがマスコミに報道されて全部が変なレッテルを貼られるのはいかがなものでしょうか、やはり日教組がだめなのかな、分からないけど(苦笑)
今後ともよろしくお願いいたします。
ひとことでここが悪いなんて、とても言えませんし、学校というものの捉え方がかなり変わってきているのかもしれません。本書の筆者たちはその際たるものなんでしょうが、あまり期待しない人も出てきてしまっていますから。色々本を読みますと、日教組に限らず、教員の組合はあまり良い影響を与えているとは思えませんね。