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『声に出して読みたい日本語』 齋藤孝

2008年02月05日 | 教育関連書籍


声に出して読みたい日本語.jpg


草思社の本で何か紹介していない本を探したら、本書がありました。ご存知ですよね。確か爆発的に売れたイメージがあるのですが…。

日本の伝統的な音読、暗誦文化の衰退を嘆く著者が、その復興を狙って、専用のテキストとして本書を上梓しました。英語を教えていましても、最近暗誦や音読をしないと感じますが、確かに子供たちは日本語の暗誦もしていないように思われます。


発売当時はこれほど広く支持を受けるとはとても考えられなかったそうです。というのも本書は一応、子供から老人までを対象にしていますが、取り上げられている題材は、古典中心で古事記般若心経平家物語土佐日記徒然草、さらに古典落語、国定忠治、いろはかるた、百人一首などなど。

「赤木の山も今夜を限り~」や「国破れて山河あり~」、「少年老い易く~」などが載っているのですが、それにしても般若心経までとは…。

我々大人でも解説なしでは意味のわからないものが多く含まれています。著者もあえて若者に迎合することなくレベルを維持したと述べています。


実際いくつかやってみますと、リズム感が心地よく実に楽しいもので、それを他人に聞いてもらいたくなってしまうから不思議なものです(笑)。


確かにこれなら子供でも意味はわからずとも「春はあけぼの。やうやうしろく…」などと楽しく日本の伝統文化に触れられ、知らず知らずのうちに言葉の宝石を身に付けさせてくれそうです。

英語であれ国語であれ音読、暗誦というのは説明しがたい言葉の力を体に吹き込んでくれるものです。そして、それが語学学習の礎になるのです。


さらに本書で特筆すべきは、各題材に付された訳出、解説がおもしろく読みやすいということです。暗誦を後回しにして、それだけでもすべて読みたいと思われることでしょう。

これだけ反響があったということは、多くの人が日本語の美しさに関心があることの証左でしょうし、そういう気持ちに学校や塾は応えきれていないのかも知れません。

歴史的名文の中から暗誦に適したものが選び抜かれており、その上実用的。妙な言い方ですが、今すぐ暗誦せずとも一家に一冊置いておきたくなるような本ではないでしょうか。お薦めの一冊です。


目次は以下の通りです。

1 腹から声を出す
2 あこがれに浮き立つ
3 リズム・テンポに乗る
4 しみじみ味わう
5 季節・情景を肌で感じる
6 芯が通る・腰肚を据える
7 身体に覚え込ませる・座右の銘
8 物語の世界に浸る



P.S. 今、アマゾンで確認したら、ものすごい数のシリーズが出ていたんですね。売れていないとは思えないんですが…。



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声に出して読みたい日本語
斎藤 孝
草思社

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
声に出して読みたい日本語 (風竜胆)
2008-02-09 09:06:39
お久しぶりです。
この本、かなり前に買った記憶がありますが、引越しのどさくさで、どこかにいってしまいました。
言葉は、時代と共に変わっていくものですが、綺麗な日本語はいつまでも残したいですね。

返信する
風竜胆さん (VIVA)
2008-02-10 00:19:06
本当に、お久しぶりで…改めまして

明けましておめでとうございます(笑)!

どこかへいってしまいましたか?もう一度買いなおすまではいかないとしても、良い本ですよね?
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