本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

『わかったつもり』西林克彦

2006年03月17日 | 教育関連書籍

私は英語の教師ですが、よく生徒たちから、長文読解ができるようになりたいという要望を受けます。その時に言うのは、英語の読解ができないのは何も読解力がないのではなく、単語や文法ができないのが原因、ということです。

英語を全部日本語に正しく訳すことができて、それでも得点できないのなら読解力不足といえますが、大抵は訳せないことが原因です。

国語の場合は話が違います。一応全部読めて、分かったつもりでも得点できないという状態ですから。

本書は、国語の読解力に関して、どうして力が付かないのかを丁寧に示します。基本的考え方は、読者が読んでいるものに対して『わかったつもり』になってしまうために、それ以上のことを考えずに読んでしまう。という感じでしょうか。

最初は小学校2年生の教科書から例題を取り出し、これを読ませます。こんな感じです。

『もし もし お母さん』
 ゆみちゃんの うちで 子ねこが三びき 生まれました。お母さんねこの たまが、おちちを のませて かわいがって いました。

 子ねこたちの 名前は、みけと しろと とらです。 (以下略)

まだまだ続くのですが、それにしても、このレベルの文のどこに読解の問題が生じるんだと思いませんか?ところが問題になるんです。興味ある方はぜひ手に取ってみて下さい。

最後には大学センター試験問題まで取り上げて、なぜ、選択肢を吟味して、正解とされているものの理由を分析します。そして軽く、これまでの国語教育に苦言を呈します。

ここまで書いて、私が本書を“わかったつもり”になっているに過ぎない可能性も充分あることに気付きました。面白い本なので、国語の読解に悩んでいる人や、国語の先生には参考になることが多いと思います。

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因

光文社

詳  細


http://tokkun.net/jump.htm


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして。 (人であること。)
2006-03-18 22:13:57
人であること。と申します。私のブログにトラックバックをいただいたので、覗いてみました。↑の本、ちょっと興味が湧いたので書店で手にとってみます。大学受験のとき、現代文に苦労した口なので★また覗きに来させてください☆
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コメントありがとうございます (VIVA)
2006-03-19 10:46:05
人であること。さん、コメントありがとうございました。

私も読解力というのは一体何なのか、正体不明だったのですが、この本は大きなヒントをくれました。



ぜひこれからもよろしくお願いします。
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トラックバック (グズてつ)
2006-07-29 11:43:35
グズてつと言います。トラックバックしていただきありがとうございます。遅れましたが,わたしからもトラックバックしてみました。

これからもよろしくお願いします。
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グズてつさん (VIVA)
2006-07-29 12:01:31
こちらこそ、ありがとうございます。
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