発想.Ⅰ
ひとつのconceptを得てしまうと
そこからの離脱は
なかなか難しいものになる
掴み取る前の
何倍ものエネルギーが
必要になる気がする
*
僕を覚醒に向かわせる動機は
何なんだろうと
時折に
考えることがある
書かないではいられなくなるのは
若しかして
それが心臓の鼓動のように
ボクが
僕であることを維持するために
唯一の方法だから・・
*
世間というのはやっぱり広くて
人の数はやっぱり多くて
同じ感情で生きる人が
そこに存在するのは
確かなようなのだ
感覚や感情の粗方は
産まれてくる時の所帯道具のようなものだけど
その後の
環境や使い方で
同じ志の人が何処かに必ず居ると
あの人に悟らされる
そうして
それがオアシスのように
虚無の救いになる
-その話には確かに同意できる-
*
道端に
無造作に転がっている
コーヒーの空き缶
琥珀は蛻の殻で
詰まっているのは
汚れた人の心だ
ヤツは
のうのうと何処かで生きている
*
雨でも晴でも
それは自然の摂理なので仕方ないけれど
胸の湿り気が追い払えない程の
陰鬱を抱えてしまうのは
それぞれの身の裡の
想いの天気図によるのかも知れない
*
ほんとうに天恵だと想える事など
生涯に
五本の指で足るほどしか
きっと
訪れない
何時でも心して待ち受けねばならぬ
何がそれに該当するのかは
混沌のままだけど‥
*
彼方此方に垂れ下がる糸を紡いで
僕は曼陀羅を織る
与えられた人生という歳月をかけて
ひたすら編み込んでゆくのだ
やがて
それが此の世に居たという
僕の真実を
暫くは伝えてくれると
発想して
*
縁を結んでゆくことで
僕の影は
少しづつ
確かに濃くなってゆく
bokuという本体も
その分だけ明らかになって存在する
*
04/08 06:40:40 万甫