みやしたの気まぐれblog

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JR初期世代の新形式車両たち JR貨物編

2021-09-05 00:07:07 | 鉄道その他
1987年4月1日の国鉄分割民営化によるJR各社誕生から今年で34年が過ぎました。JR化直後に登場した車両でも一般的な鉄道車両の寿命(30〜45年)に近くなります。
実際の所は、車両の作りや運用により寿命は大きく異なるので、随分前に全廃されたJR時代の車両もいれば、未だ国鉄時代の車両も残っているのは、先日までの「今も残る現役国鉄形」シリーズで紹介したとおりです。

JR化後の最初の10年間(1987年4月〜1997年3月)で登場した新形式車両を初期世代として、現状を交えてシリーズで紹介していきます。JR化後しばらくは、205系や211系のように国鉄時代の車両をそのまま製造したものも多いため、JR化後の新形式のみを掲載します。
撮影できないままに廃車された車両もありますので、そちらは写真無しで文章だけ。また、事業用車や試験車両については、ほとんど写真が無いので省略させて頂きます。

このシリーズ最終回はJR貨物です。
ただ、JR貨物は国鉄時代に比べて効率化のために国鉄型の廃車を徐々に進めたものの、その速度は決して早くなく、またJR他社同様にJR化後しばらくは国鉄型の改良形式(EF66形100番台やEF81形450番台、500番台など)を製造していたので、本格的に国鉄形が消えてきたのはこの10年くらいになります。それでも若干はJR化後の10年間で製造された新形式があるので、紹介していきましょう。なお、試作車は写真がありません。また、貨車についてはあまり意識して撮影していないので、一応あるものだけ写真を載せます。


DF200形
製造1992年〜2013年。北海道におけるDD51形置き換えを目的に登場した電気式ディーゼル機関車です。これまで主流であった液体式ディーゼル機関車では液体変速機が必要になりますが、国鉄時代のDD50形の開発以降は新規開発が行われておらず、一方で電車・電気機関車についてはVVVFインバータ制御技術の登場で機器を小型化しつつ大出力が可能となっていたことから、国鉄時代のDF50形以来の電気式ディーゼル機関車となりました。「RED BEAR」の愛称が与えられ、JR貨物で49両が製造されており、DF200形1両でDD51形重連運用を置き換えられるようになっています。製造時期により、試作車の900番台1両、量産車0番台12両、マイナーチェンジした50番台13両、再度マイナーチェンジした100番台23両が登場しています。2016年以降は防音強化改造などで100番台から200番台へ改番された車両もあります。現在は、北海道以外に、関西本線の貨物列車でも運用されています。また、JR九州ではDF200形7000番台を「ななつぼしin九州」牽引用に1両製造しています。




DF200形0番台。北海道でのみ姿を見られます



DF200形50番台。発電用エンジンが、MTU製からコマツ製に変わっているタイプです



DF200形100番台。VVVFインバータ制御の半導体素子がGTOからIGBTに変わっています。100番台のうち8両が愛知に転属して200番台になっています


ED500形
製造1992年。日立製作所が製造したEF200形を小型化して交直流化した試作形式です。日立製作所の所有車両で、JR貨物に貸し出されて1994年まで試験を行いましたが、出力4000kWとEF66形よりも高いものの、試験で空転が相次いだそうで、量産化されないままに終わっています。試験期間が短く、試験車を追いかけてもいなかったので写真は撮影できていません。


EF200形
製造1990年〜1993年。EF66形の後継形式としてVVVFインバータ制御を採用して登場した直流電気機関車です。出力6000kWでEF66形の3900kWを軽く越えており、1600tの貨物を牽引することを目的に製造されましたが、1600tを牽引するには変電所の増設が必要であり、従来の1200tから1300tまでは増加した物の、1600tまでは貨物需要が高まらなかったため、結果として過剰な性能になってしまいました。このため試作車1両と、量産車20両の製造に止まり、2011年からは廃車が進行しました。2019年に運用を終了し、2021年に最後の1両が解体されて消滅しています。


登場時塗装のEF200形。初期はさらに「INVERTER HI-TECH LOCO」のロゴが側面に書かれていました




塗装変更後のEF200形。2006年〜2009年にかけてこの塗装に変更されました


EF210形
製造1996年〜現在。EF65形とEF66形の置き換えを目的として製造された直流電気機関車です。EF200形が変電所容量の限界で真の性能を発揮できない状態であったことから、現実的な性能としてEF65形(2550kW)とEF66形(3900kW)の中間の出力となる1時間定格3390kWで、30分定格3540kWの性能で製造されました。30分定格は関ヶ原付近の10‰勾配に対応するために設けられている短時間での出力増加で、これによりEF66形とほぼ同等の性能になっています。試作車900番台1両の後、0番台18両が製造され、以降は2010年まで100番台が製造されています。2012年からはセノハチのEF67形運用置き換えのために300番台が製造され、300番台自体は100番台の運用も入れるため、そのまま300番台での量産が続いています。初期の配置が岡山機関区で「ECO-POWER 桃太郎」の愛称が付けられました。現在は岡山機関区以外にも新鶴見機関区、吹田機関区所属車もあります


試作車900番台。量産化改造されているので0番台と同等の運用に入っています。なので、見かけることは滅多にありません



EF210形0番台。18両だけのため、あまり見かけないです。0番台はすべて岡山機関区所属となります



EF210形100番台。VVVFインバータの半導体素子をGTOからIGBTへ変更しています


セノハチのEF67形置き換えで製造された300番台ですが、その後標準形式も兼ねるように量産されています


塗装変更されたEF210形。まだ塗装変更されている車両が少ないので、なかなか姿を見ません


EF500形
製造1990年。EF200形と同時に登場した交直流電気機関車で、試作車1両だけの製造です。EF200形同様に6000kWの出力を誇りましたが、変電所容量を超えていることから、性能を発揮できず、また、インバータが発する高調波が線路周辺の電気機器に影響を及ぼす誘導障害が問題となりました。そもそも置き換えを想定していた日本海縦貫線および東北本線系統のED75形、EF81形で賄えている輸送量ではこの車両は過剰な性能であったことから、1994年に量産されること無く廃車されています。あいにく写真は撮影できていません。


コキ71形
製造1994年。乗用車輸送の貨車は、行きは乗用車を運んでも帰りは空になって運用効率が悪いことから、行きは乗用車、帰りはコンテナを運べるように設計された貨車がコキ71形です。8両が製造され、名古屋貨物ターミナルから新潟貨物ターミナル/米子駅への自動車輸送に使われましたが、現在は運用終了して笠寺駅に留置されているそうです。


米子駅で撮影したコキ71 形。「CAR RACK」のロゴが書かれ、自動車輸送時はカバーを掛けていた


コキ72形
製造1996年。9フィート6インチの海上輸送用コンテナの搭載のために1両だけ試作されたコンテナ用貨車です。実際にはコキ100系でも搭載可能なことが判明したことから、量産化はされませんでした。現在は稲沢駅構内に留置されているそうです。写真未撮影。


コキ100系
製造1987年〜現在。国鉄時代に製造されたコキ10000形やコキ50000形の後継として、時速110kmまでの運転に対応しています。長期に製造が続いていることから、実はけっこう細かい形式区別があり、コキ100形、コキ101形、コキ102形、コキ102形500番台、コキ103形、コキ104形、コキ104形5000番台、コキ104形10000番台、コキ105形、コキ106形、コキ110形、コキ107形があるそうです。基本的にコンテナ輸送車両なのは変わりませんが、車体長や手ブレーキ位置、対応コンテナの種類に差異があります。


宅配便のコンテナを載せているコキ104形


隅田川貨物駅で撮影したコキ106形


ワ100形
製造1992年。道路輸送用のセミトレーラに専用の鉄道走行用台車を装着し、鉄道上の直接走行をも可能とした貨車で、3両が製造されました。道路輸送と鉄道輸送の効率化を図ったと思われますが、特殊な台車構造もあって量産化されるにはいたらず、2002年に廃車されています。撮影はできていません。


以上です。
貨車はコキ100系なんてそこら中に数百両あるので、意識して撮影していなかったら、全然資料になるような写真がなかったという。1990年代に消えている試作車なんかだと、デジカメになる前で、学生の頃なので、ほとんど撮影できていません。
これでシリーズとしては終了ですが、調べてみたらけっこう色々あるんだなあという感じでした。

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