女性専用車

これまで深夜帯のみ女性専用車が導入されていたJR埼京線で、朝の時間帯も女性専用車が導入された。
主目的は、都内ワースト1位の痴漢犯罪件数を減らす事である。
埼京線に続き、首都圏の大手私鉄各線もG.W.明けから女性専用車を導入する。
私が利用する東急田園都市線も、都内ワースト8位に入っており、G.W.明けの導入が決まっている。

通勤列車で女性専用車が設けられる事自体は、現状の社会事情を考えれば賛成である。
痴漢犯罪はおそらく発表されている件数よりはるかに多いであろうし、
男性側からしてもあらぬ疑いをかけられる可能性が減る事にはなる。
ただ、混雑が不均衡になることはすでに導入された路線区でも判明しており、
その点ではいささか不満も残る。
女性専用車があると言っても、全ての女性が専用車に乗るわけではないだろう。
（だからといって、女性専用社以外に乗車した女性への痴漢行為が正当化されるわけではない）
とはいえ、男性専用車両など作られてもむさいだけなので、全く持って御免被る。

ところで、昨今急激に広がりを見せる女性専用車だが、案外歴史は古い。
鉄道博物館のホームページを見ると、最初の女性専用車は明治45 (1912) 年で、中央線で登場した。
一旦消滅した後、戦後の昭和22 (1947) 年に婦人子供専用車が登場している。
鉄道博物館
ただ、これらは現在のように、痴漢の防止を目的としたものではない。
また、女性専用車はいずれもそう長くなく、中央線からは消滅してしまっている。

なぜ、こういった女性専用車が無くなったのか。鉄道博物館のホームページには記載が無いが、
実は女性専用車で安心しきった女性客を狙った、女性スリが横行したのが原因の一端だそうだ。
もちろん、混雑度が酷く、乗客を分けられないという状況もあっただろうが。