みやしたの気まぐれblog

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JR初期世代の新形式車両たち JR九州編

2021-08-28 20:18:11 | 鉄道その他
1987年4月1日の国鉄分割民営化によるJR各社誕生から今年で34年が過ぎました。JR化直後に登場した車両でも一般的な鉄道車両の寿命(30〜45年)に近くなります。
実際の所は、車両の作りや運用により寿命は大きく異なるので、随分前に全廃されたJR時代の車両もいれば、未だ国鉄時代の車両も残っているのは、先日までの「今も残る現役国鉄形」シリーズで紹介したとおりです。

JR化後の最初の10年間(1987年4月〜1997年3月)で登場した新形式車両を初期世代として、現状を交えてシリーズで紹介していきます。JR化後しばらくは、205系や211系のように国鉄時代の車両をそのまま製造したものも多いため、JR化後の新形式のみを掲載します。
撮影できないままに廃車された車両もありますので、そちらは写真無しで文章だけ。また、事業用車や試験車両については、ほとんど写真が無いので省略させて頂きます。

今回はJR九州です。
JR九州は四国同様に高速道路網の整備による、高速バスとの競争が激しく、国鉄時代に導入された車両では都市間輸送の高速化に対応できないため、早期に新型特急の導入が進められました。結果、民営化後翌年には新形式783系が登場。続いて787系、883系などが開発されていき、九州の特急ブランドが確立してきます。787系からは水戸岡デザインが導入され始めました。一方で博多周辺の輸送力改善のために811系や後継の813系が登場し、ローカル線輸送にはキハ125形、キハ200系も投入されていきました。なお、九州新幹線の部分開業は2004年ですので、今回の記事では対象外です。

783系
製造1988年〜1991年。高速バスに対抗するべく、485系よりも速度向上とサービス向上を目的に製造されたのが783系です。JR化後初の新形式特急形車両で、ステンレス車体を採用して制御装置はサイリスタ位相制御でしたが、最高速度130km/hとなっています。通常は車体の両端または片方の端にある昇降扉を、欧州の列車のように車体中央に設けて、A室、B室と車内を分けているのが特徴です。「ハイパーサルーン」の愛称が与えられ、当初は「有明」、「かもめ」へ投入されました。後継車両の登場は順次リニューアルを施され、また繰り返しています。一時は「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」を1列車で担っていた際に、最大5+4+4の13両編成も見られました。その後、九州新幹線の全線開業によって787系が各地へ転用され、さらに新型コロナによる需要減少により、ここ数年、旧式化している783系は徐々に廃車が進みました。現在は「みどり」「ハウステンボス」「かいおう」が主な運用になっています。


登場時の783系「ハイパー有明」。私が撮影した写真では、唯一オリジナルの状態。確かデビュー当時の1988年8月の撮影です



リニューアル後の基本塗装だった銀色の783系。「かもめ」「にちりんシーガイア」等で運用後、「きりしま」「ひゅうが」「にちりん」で主に運用されましたが、2021年3月で「きりしま」「ひゅうが」「にちりん」からも撤退したため、定期運用が無くなっています。




「みどり」色の783系。「みどり」の他、佐賀発着の「かもめ」でも運用されました。「ハウステンボス」編成との併結運転が基本ですが、2020年の新型コロナ感染拡大以降、「ハウステンボス」の列車減便により、「みどり」編成だけの運転がよく見られるようになっています




旧ハウステンボス色の783系。中間車を改造して運転台を取り付け、「みどり」編成と併結運転が基本です



現ハウステンボス色の783系。2017年から順次この姿へリニューアルされ、現在は5編成全てこの姿です


787系
製造1992年〜2002年。783系の次に、博多〜西鹿児島の特急「つばめ」用に製造された交流特急形電車です。TGVに似たこれまでの日本の鉄道車両には無かった外観デザインと、航空機のような収納式の荷物棚、落ち着いた車内デザインにビュッフェ車を設置しました。最初期の水戸岡デザイン車両でもあり、鉄道友の会ブルーリボン賞や通産省グッドデザイン賞、国際的な鉄道デザインコンペティションのブルネル賞での優秀賞などを受賞しています。当初は9両編成で「つばめ」用に登場しましたが、「かもめ」や「にちりんシーガイア」「ドリームにちりん」「かいおう」などでも運用されるようになり、「つばめ」用7両編成と「有明」用4両編成へ組み替えられ、2003年にビュッフェは廃止となり、2004年には九州新幹線の開業で「リレーつばめ」「有明」運用が主体になりました。2005年にはJRで初めてグリーン席の上級に当たるデラックスグリーン席も登場しています。2011年の九州新幹線全線開業後は、7両編成(後に6両編成へ減車)は「かもめ」「きらめき」、4両編成は「きりしま」「ひゅうが」「にちりん」運用となりました。2020年には初の改造観光列車「36ぷらす3」も登場しています。


デビュー時のシルバー系グレー塗装の787系。私が九州に行けるようになったころにはすでにリニューアルが始まっていたので、この当時の写真がほとんどありません



リニューアル前の「有明」用編成。前面にARIAKEロゴがあるのが特徴です。「リレーつばめ」時代でも、「リレーつばめ」の増結用に熊本まで連結していたことがありました





リニューアル後の「リレーつばめ」用編成。九州新幹線の部分開業前にリニューアルは終わっていたので、西鹿児島へリニューアル車「つばめ」が走ってきていた時期もありました


リニューアル後の「有明」用編成




「きらめき」「かもめ」で運用されている787系の6両編成



「きりしま」「にちりん」「ひゅうが」で運用される4両編成。一部にデラックスグリーン車組み込みの編成があります



「36ぷらす3」となった787系。全席グリーン席の6両編成で、ビュッフェ車も組み込んでいます。黒い車体のため、かなり写真が撮りづらい車両です


811系
1989年〜1993年。福岡・北九州の都市圏における快速列車/普通列車用車両として421系等国鉄形置きかえのために登場した交流近郊形電車です。3扉の4両編成で転換クロスシートで登場し、サイリスタ位相制御を採用しています。813系の投入後は徐々に普通列車運用が中心となり、現在は門司港〜荒尾での鹿児島本線運用が中心ですが、一部日豊本線、長崎本線での運用もあります。また、2017年からリニューアル改造工事が始まり、制御装置をIGBT素子のVVVFインバータ制御に変更し、車内をロングシート化しています。



811系のオリジナルの姿。近年徐々に姿を消しています


三井グリーンランド色の811系。現在は標準色に戻されています。一時期2編成がこの塗装でした


リニューアル後の811系。正面に「CT」マークが付いて、側面の帯も替わったので見分けは付きます


813系
製造1994年〜2009年。811系の後継として登場した快速列車/普通列車用車両で、設計変更を繰り返しながら15年にわたって製造された交流近郊形電車です。初期はGTO素子のVVVFインバータ制御(サイリスタ位相制御併用)でしたが、後年製造された1000・1100番台はIGBT素子のVVVFインバータ制御(PWMコンバータ制御併用)となっています。3両編成の転換クロスシート車(福北ゆたか線用500番台のみロングシート)で、福岡・北九州の都市圏において、3、6、9両編成を組んで運用されています。811系や後継の817系、821系との併結運用もあります。鹿児島本線門司港〜荒木と、筑豊本線/篠栗線(福北ゆたか線)折尾〜桂川〜博多、日豊本線小倉〜中津、長崎本線鳥栖〜肥前大浦で運用されています。





813系。編成番号で番台がわかるが、0番台、100番台、200番台、300番台、1000番台がこちらの標準塗装となっています。なお、200番台が一番多いので、写真も200番台ばっかり



福北ゆたか線用813系。R017編成は両端が100番台で、中央がロングシートの500番台となっています



主に日豊本線の小倉〜中津で運用される1100番台。この番台だけ前面の行き先表示器が巨大化したために頭が張り出た形状になっています


883系
製造1994年〜1997年(885系ベースの増結中間車は2008年)。日豊本線特急の高速化のために登場した制御式振り子を導入した交流特急形電車です。JR九州の特急形電車は783系がステンレス、787系は鋼鉄車でしたが、883系はステンレスになっています。ただし2008年に製造された増結中間車は885系ベースのアルミ合金車となりました。当初は「ソニックにちりん」の愛称で運行されましたが、後に「ソニック」となっています。製造時期により前面デザインが異なるのが特徴で、1次車(AO1、AO2編成)、2次車(AO3編成)、3次車(AO4、AO5編成)、4次車 (AO6〜AO8編成。流リニューアル後はAO16〜18編成)があります。3次車と4次車はは形状は同じながら4次車は塗装を変更しました。また、1〜3次車は7両編成で登場しましたが、4次車は当初5両編成で登場しました。車内の座席は独特の形状で、ミッキーマウスの耳のようなヘッドレストが特徴的です。当初はカラフルなヘッドレストの座席でしたが、2005年から始まったリニューアルで落ち着いた茶色系の色合いに変更されました。また、リニューアル次に4次車には885系ベースの増結中間車(1000番台)が2両追加され、全編成7両編成となっています。


登場時塗装のAO2編成。この写真は冬に撮ったのですが、たまたま雪が降っていました



登場時塗装のAO3編成。前面がスリット状になっているのはこの編成だけです


登場時塗装のAO4編成。ただし、写真では2両抜いて5両編成での運用


登場時塗装のAO7編成。黄色が目立ちます


登場時塗装のAO8編成。このほかにAO6編成は白だったのですが、登場時塗装の姿は撮影できないままリニューアルされました


リニューアル後のAO2編成


リニューアル後のAO18編成(左)とAO3編成


リニューアル後のAO4編成


リニューアル後のAO18編成。後方に少し違う形状の車両が2両いるのは、885系ベースで製造された増結車です


前面のパネルを取り外しているAO4編成。なぜか知りませんが、外して運行していた時にたまたま撮影しました


キハ71系
製造1989〜1990年。久大本線の観光地である日田、湯布院を経由して博多から大分/別府を結ぶ特急「ゆふいんの森」のために登場した観光仕様の気動車特急車両がキハ71系です。当初は、キハ58形とキハ65形の台車およびエンジンを流用して車体を新製することで3両編成で登場しましたが、1990年に中間車を1両追加して4両編成となりました。ハイデッカー構造でビュッフェを備え、欧風デザインのこの車両は瞬く間に人気となり、後年になって増備車として完全新造のキハ72系が登場しています。またキハ71系も2003年にエンジンを交換しており、台車以外はおおむね新造状態になりました。キハ71系とキハ72系の両方が運用状態にある場合は、キハ71系は別府発着の運用についていますが、キハ72系の検査時などは由布院発着となることがあります。近年は久大本線が相次ぐ水害で不通になることが多く、2020年7月豪雨の際にはキハ71系は由布院駅閉じ込め状態になっていました。




キハ71系「ゆふいんの森」。初めてこの列車に乗れた時は感激しました。一度は乗りたいデザインの列車です


キハ125形
製造1993年。ローカル線に残るキハ45系やキハ52形を置き換えるために登場した18m級の軽快気動車です。新潟鐵工所のNDCシリーズの1つで、車内はセミクロスシートでトイレ付きとなります。久大本線、豊肥本線の大分側、唐津線、筑肥線の非電化区間で運用されています。キハ40系との併結が可能なため、特に唐津線ではキハ47形やキハ40形と併結運転している姿ががよく見られます。2009年には、廃線となった高千穂鉄道より買い取ったTR-400形がキハ125形に組み込まれて、キハ125形400番台となっていますが、元がJR車ではないので本記事では掲載を割愛します。




キハ125形。同じNDCシリーズにはJR東海のキハ11形や、島原鉄道キハ2500形があり、外観はよく似ていますが、トイレ付きであるのがこの車両の特徴です


後方にキハ47形を連結しているキハ125形。NDCシリーズで国鉄型気動車と併結できるのも珍しい存在です


キハ200系
製造1991年〜2009年。筑豊本線・篠栗線向けに最初に投入された快速列車/普通列車用の20m級の一般形気動車で、最初は赤色の塗装で投入されました。その後、大村線用に青色の車両が、指宿枕崎線用に黄色の車両が投入されていますが、基本は赤色になっています。また、大村線にはハウステンボス色も登場しましたが、大村線へのYC1系投入後は大村線の車両は熊本地域、鹿児島地域へ転属しています。筑豊本線・篠栗線向けに投入された車両も、筑豊本線・篠栗線の電化に伴い香椎線へ転属し、その後他の地域に転属していきました。後年製造された200番台は前面の行き先表示器が大きくなり、デザインが大きく変更されています。車内は転換クロスシートの車両と、ロングシートの車両があり、片運転台車キハ200形、両運転台車キハ220形があります。片運転台車は2両編成のうち0・100・500番台がトイレ付き、1000・1100・1500・5000番台がトイレなしです。両運転台のキハ220形はトイレ付きです。現在は、久大本線、豊肥本線、三角線、指宿枕崎線と鹿児島本線の一部区間で運用されています。




一般的な塗装である赤色のキハ200系。大分、鹿児島、熊本でこの塗装の車両がいます



シーサイドライナーのロゴが入る青色のキハ200系。大村線・長崎本線で運用されていましたが、YC1系に置き換えられました


大村線・長崎本線で運用されていたキハ200系NTT西日本広告車


大村線・長崎本線で運用されていたキハ200系のV・ファーレン長崎ラッピング車


鹿児島へ転属した青色のキハ200系。今後一般的な赤色になるのか、指宿枕崎線の黄色になるのかどちらでしょうかね




指宿枕崎線の黄色のキハ200系。この塗装の車両は基本的に転換クロスシートで快速「なのはな」の運用が中心です



ハウステンボス色のキハ200系。熊本へ転属し、これは三角線運用に入っている写真です


2004年〜2011年に運行していた快速「なのはなDX」用指定席車キハ220-1102。1両だけの改造車で、車内が回転式リクライニングシート(ただしリクライニングしない)に改造されていました。現在は熊本へ転属していますが、2020年の熊本の豪雨で人吉駅にて被災しており、現在は運用されていません



キハ220形200番台。主に大分周辺での久大本線、豊肥本線で運用されています。一時は日豊本線の延岡〜佐伯の閑散区間での普通列車運用もありました


村線・長崎本線で運用されていたキハ220形200番台。増結用としてキハ200形に連結して運用されていました

以上です。
車両の形式はそこまで多くないのですが、改造やバリエーションが多く、けっこう写真が多くなりました。

次回は一応JR貨物ですが・・・・最初の10年はほとんど車両製造ないんで、あまり写真ありません。あと、貨車は省略しますので
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