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みんな大好きチブワントゥ!

2014年05月22日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所の瀬戸口です。

朝晩冷えるようになりましたが、日中は暑くてたまらず
温度変化が体にこたえます。



さて、先日も村に出かけていたのですが、

お母さんがなにやら枝のようなものををたたいているのを発見。





すぐとなりでは、娘も同じ作業中。





この子、高校生で、先週から学校が始まっているはずなのですが、
学校までの交通費が捻出できておらず、いまだ家事手伝い中。


学期が始まる日に登校できる子どもたちは、それほど多数派ではありません。
学費等の工面が間に合わない他に、いまは収穫時期で忙しいことも理由の一つです。




・・と話が逸れました。




実は、彼女たちが叩いているのは、枝ではなく「ムンコヨ」と呼ばれる木の根っこ。






何回かたたくと、表面の皮が取れ、やわらかくなります。






このナマのまま使ってもよし、3日間くらい乾かすと1年以上もつそうです。



さあ、これ、何に使うんでしょうか。







私たちが活動している地域にはトンガ族と呼ばれる人が多くいます。
彼らの主食はメイズと呼ばれる白トウモロコシなのですが、
それを使った、"チブワントゥ"という発酵飲料を作るときにこのムンコヨが欠かせません。





この根っこを一晩、水に浸してエキス?を染み出させ、
粗く挽いたトウモロコシで作った薄いおかゆのようなものにその水を入れると完成。



なぜ、ムンコヨを入れるのか?



彼らが言うには、ムンコヨを入れると甘くなるんだそうです。



チブワントゥは手軽なエネルギー補給に向いており、畑仕事のお伴にもって行くことが多いようですし、
村でお祝い事や集まりがあると、ドラム缶いっぱいに作られ、参加者に振舞われます。



▲このドラム、全部チブワントゥ!!!!


お客さんが来た時には、砂糖をさらに加えて提供されることが多いのですが、
私は砂糖を入れず、ほのかな甘みと酸味を楽しむのが好きで、
さらに言うと出来たての温かいものを飲むのが大好きです。


とはいえ、独特の風味があるため、最初の数回は正直なところ我慢して飲んでいました。
が、ある日からものすごくやみつきに・・・
いまや村に行くたびに誰か出してくれないかなぁと思ってしまう意地汚さです・・


他の部族、例えばベンバ族も同じくムンコヨを使った発酵飲料を作りますが、
彼らはメイズを細かく精製し(トンガ族は粗挽き)、また焦がしながら作るため、
見た目はやや黄色く、味わいは全く異なります。


また、製品化された「マヘウ」と呼ばれるものもあります。
マヘウという名前はジンバブエから来たのだと教えてくれた人がいましたが、
飲んだ感じはチブワントゥよりもっとドロっとしていて飲むヨーグルトっぽいですね。



マーケットで、乾燥させた根っこは何度も見たことがあったのですが、
製造段階(笑)を目撃して、興奮してしまい、
何枚も写真を激写して、おかあさんに笑われてしまいました。

そして、ムンコヨに気を取られ過ぎて、
この家を訪ねた本題をすっかりそっちのけにしてしまい
お父さんに呆れられました。




ほんとは、左端にいるお父さんと活動の打合せに来たんでした。。。。



うーん、チブワントゥ、好きだなぁ・・


文責:ザンビア事務所(瀬戸口)