もう、8月ともなれば、4月入社の新入社員も5月病も乗り越え仕事にも慣れ始め面白くなってくる頃である。私が配属された部署は宣伝部であるが、当時は広報係で小さな数人の部署であった。新入りにはむしろ何でもやらねばならず、仕事を覚えるには少人数は幸運だった。
「君も入社3か月が過ぎた、取材に静岡に出張してくれないか」
日帰りでなく、宿に泊まれるのだ。しかも、二日だ。カメラとストロボを用意した。国鉄の切符は総務で手配をした。確か、静岡まで5時間はかかった。身分がぺいぺいのぺいなので明るい昼日中の移動ははばかれた。 仕事が終える定時後だと、早すぎても、遅すぎても到着時間との調整がうまくいかない。でもいたしがたなし。ペイペイだから。
時間の調整をして代理店に顔をだして担当者に顧客先を案内してもらうことになった。カメラを片手にいろいろな角度の写真が撮れた。 当時のフイルムの感度はカラーでASA10しかなかった。撮れているかの確認は現像をしないとわからない。 このカメラは絞りが手動だったのが、絞りを開けたり絞ったりといちいち見ない。にわか素人のカメラマンだ。信用がない。宿に戻りフイルム1本がどうも送りができていないような感触だ。
もう一回実演して貰わなければならない。顧客である某村役場ではしぶしぶそれでも新入社員に免じてもう一度再現してくれた。実演とは消火放水だったので水源を池に求めた大変な迷惑だった。
もし、私が二年生だったら実演の再現はしてくれなかたであろう。
採用された写真のカットはたったの数カットには驚いた。でも、いい経験と勉強になった社会人最初の宿泊出張でした。
終わり
そして可愛いお孫さんも皆さん見てく
れている事でしょう。今の威厳のお爺様も
こんな時代があってこんな不安な仕事を
一生懸命・・目上の人たちを相手に・・
今までのお爺様の人間が更に近く
人間らしく見えてくるのでしょう
いいお話しですね v(o^▽^o)v
新人頃を思いだし懐かしいです