眼の前の時計が夜中の1時を指している。
もう直ぐ平成が終える。懐かしい昭和がまたひとつ遠くなった気がする。 この4月で85歳になる。だが、喜ばしくも悲しくもない。歳が老いて行動半径が狭くなると、小さな忘れかけた想い出に追憶を重ね心静かにしているものだ。
10日ほど前に階段で足を滑らせ肋骨を骨折してしまい貼り薬のせいか眠れず、夕食後の仮眠も手づだい眠れず机に座り昭和の唄を聴いている。随分久しぶりだ。
吾々の時代は歌声喫茶の時代だった。東京の新宿や銀座の電通通りのドイツ歌声バーなどよく行ったな~。後楽園では都市対抗応援に行って、その前に歌声にと…音痴揃いが良くいったものだ。いまだに代々木には昔のままであるようだ。渋谷にも・・。
「月の砂漠」が聴こえてきた。中国から引き揚げて来て小学校の卒業劇で聞いた甘い感じを味わった覚えがある。
引き揚げ船のデッキの上で聞いた「帰り船」などは過酷なことを思いだすので寂しさを呼び覚ます。「上高地」などは青春お謳歌した志賀高原を想い出す歌声が夜空に木霊する夏の合宿など少しの時間でしたが心静かなひと時を過ごせました。
家の近くの桜並木がこれから満開を迎えると言うのに歩行が厳しく2階の窓から梢だけで満足するしかない。早く横になろう。疲れた。
時計の針は丁度2時を指している。
終わり