明るい陽ざしが窓辺に差し込んでいる。
いま、或ることを成し終え、次に成すことを模索している。 階段の傍らに、読み終えた古新聞があった。 見るともなしに眼に触れた記事は若い親が自分の生んだ幼い子を殺めた見出しだった。 悲しい。
当時、まだ単身赴任ピカピカの一年生だった頃、時間つぶしが下手で会社から持ち帰った書類を読み終えるとテレビドラマを飽きもせずみていた。 上の娘は米国へ留学、息子は中学生と親離れの年頃だった。 もう、30年も昔になる。
そんな時に、ある応募作品に触れた。 何故か孫でも授かったかのように・・・。
生まれて来る赤ちゃんへ
1.キミは憶えてるかい キミは憶えてるかい 暖かいママのお腹で フートワークをしたことを パパともお話したよね ママのお腹で
2.キミが生まれたときに キミが生まれたときに ちいちゃな可愛いお目と ママはごあいさつしたよね 頬と頬とよせ合って はじめましてと
3.キミに聞こえてるかい キミに聞こえてるかい パパがあんよはまだかと ママを困らせてるのよ ママのオッパイ沢山のんで 大きくなってね
4.キミはおやすみなさい キミはおやすみなさい ママの暖かい胸の中で 泣いた涙をふかないで そしてママと遊んだ日の 楽しい夢を
昔、或る大きな寺の掲示板に ひと言 確か、こう書いてありました。
「赤子は みな裸で生まれたに」
終わり