外は雨。 夫婦ふたりで観るテレビは土曜日の午後9時から始まるTBS「世界ふしぎ発見」である。いつ頃からかは記憶にないが、穏やかな時間を誰にも遮られずに、互いに語り合いながら、ここ数年、送っている。もう、現役時代の、あのピリピリとした緊張感は、それなりに厳しさがあっていいものだが・・・いまは完全に忘れた。
深夜番組の魅力はかつて宣伝部と言う部署で担当したこもあり、熟知していた。と、思っていたが、わが身をその渦中に置いたことはない。魅力の虜になったのは赴任して10ヶ月が過ぎた頃だと思う。当時のことを、ブログに投稿し記事にしたのが、以下の記事である。。もう一度、読み返し振り返ってみた。希望と癒しをくれた深夜ラジオ番組2015年1月のリメーク版である。
会社人生の中で苛酷な試練を味わった時期に希望と癒しをくれたラジオ番組があった。
番組を知ったのは赴任先に戻る車の中だった。たしか真夜中の23:50だったと思う。
単身赴任地までの距離時間もあり、気を落ち着かせる意味で視聴する環境に吸いもしないハッカ入りの洋もくを買い口に咥えた。吸えない煙草もハッカ入りだと何故か据える。そして、何故か気持ちが落ち着くのだ。
国道そして首都高、バイパスを経て降りるインターのドライブインの止まり木で深夜のほんのひと時を費やす。午前2:00。
先程 求めた洋もくに火をつけ吐き出すひと吹きに何故か心が和む。
深夜の2時頃、客はいない。ひとり思考するにはまたとない環境だ。
そして、気を落ち着かせ赴任先のひとり住まいのマンションに戻る。
ドアを開けると、ひと気のない冷たい空気が顔を撫でる。
ラジオから流れる深夜番組の時間に合わせて家をでる。
バックミュジックが流れ・・・そして、語り掛けが始める・・・
「深夜の友は 真の友」と言いますけれども
こんな時間に独りで起きているあなたは いったいどんな人なんだろうと
いろいろと考えながらマイクに向かってます。
”人生は短く 夜もまた短い
今日できることは 明日にのばして せめてこの深夜のひと時を”
今、この放送を聴いていらっしゃる深夜の友に 限りない友情と 共感を抱きつつ
お送りするミッドナイト メッセイジ 五木寛之の夜です。
この番組に助けられ、苛酷な困難をも乗り超えられた。
もう、30年も昔の遠い想い出の片隅に追いやられた苦くも達成感を味わった懐かしい想い出の一齣である。
いま、懐かしく思い出したのは、五木寛之さんの声はもとより、番組進行をサポートされておられた「柳さん」と言う名の素敵な声の女性アナウンサーでした。そして、バイパスのインターに何時も客がいたことのない止まり木で一杯のコーヒーと伊達の洋もくに火をつけ口から煙を吐いた記憶が何故か脳裏に残っている。
老いていけばいくほど、つまらぬ想い出が懐かしく思い出すのかも知れない。 前出記事には「30年も昔の遠い想い出・・・」とあるが、いまでは更に年月が重なり50年も昔になりました。この癒された「深夜ラジオ番組」が惜しくも2年6か月と短い期間で終えたことは良かったのか悪かったのかはその後の歴史が語り終えて呉れました。 そんな想い出を再現させてくれた一夜でした。
終わり