ハローウインの時期を迎えようとしている。
そう言っても今では誰でも話題についてくる。 いまから19年も前の頃はデパートでもやっとウインドウに飾りつけを始めた時期だった気がする。会社人生の最後のお勤めを迎えようとする前の年だったと記憶する。 記憶が曖昧なのは初孫誕生で舞い上がっていたのかも知れない。 初孫息子である。 待ちに待った誕生の年の10月、サンフランシスコから北の街ノバトへ飛んだ。 迎えに来た娘の車で夏の季節感が残る街へとR100で向かった。
初対面した孫の第一印象は火星人に見えた。 まさか、後に「ハンサム」と言われるとは・・・? 広々と辺り一面に広がる芝生に点々と飛び石の様に散るアパートに居を構えていた。 公園のようだ。居住者の家族しか歩いていない。 もう10月の末だと言うのに、プールで子供たちが水浴びをしている。 庭木には夏に咲くサルスベリらしき木がピンクの花を咲かせていた。 スーツケースの中には冬着しかいれてない。 後で、半そでを買いに近くのスーパーに行く羽目になる。
それから、毎日のように乳母車に孫を乗せて散歩をしながらカリフォルニアの暖かい秋の陽光を浴び人生の喜びを味わった。
その時、家々の窓や玄関に奇妙なカボチャや魔女の飾りつけのしているのに気がついた。更に、遊び興じている子供たちの仮装にも気がついた。 骸骨だったり、血管人間だったり、魔女だったりとさまざだった。 断らなくてもカメラを向けると子どもたちは喜んでポーズをとり協力をしてくれた。
その夜、娘の家にも子供の訪問客が飴を貰いに家々を訪ね歩いていた。 初めて出会った異文化の行事でした。それから19年の年月が流れ過ぎました。
いま、階下で妻の主宰するラボ活動の「ロミオとジュリエット」の練習している子供らの声が聴こえている。 「HalloweenParty」で発表する。 力仕事の応援はできなくなったが、せめて気持ちだけでもと思っているこの頃です。
終わり