孫の住む街は米国の西海岸のサンフランシスコにある。 正確に言うとサンフランシスコの中心地ユニオンスクエアーから80km程離れた郊外都市ウオルナットクリークである。 ここはサンフランシスコ湾のイーストベイ地域にあり、車でハイウエイだと1時間の距離にある。 季節的には3月から乾季に入る。 夏場に上着が必要なサンフランシスコと比べ気温は高くなるが、湿度がないのでむしろ過ごし易い街である。
私はサンフランシスコ国際空港に降り立つと、ロビーで娘の迎えを受ける。 もう、20数回以上も世話になっている。 初めの頃は孫の歓迎も受けていたが、今では孫も大きくなり娘ひとりで迎えでやや寂しくなった。
自宅に向かう途中で昼食をとる。 空港から直行でも100km程の距離で一時間半の行程だ。 空港からR100でサンフランシスコの中心を抜けてベイブリッチを渡る。 6車線の山間のフリーウエイを走り、ウオルナットクリークで下りる。
この街はある調査で「全米一美しい街並み」に選ばれたと言う。 無料の観光バスが市中を循環コースに沿い走っている。
小さいエリヤだが、街はずれでも綺麗な並木と歩道と店構えが続いている。 NYのブランド専問店や有名なレストランなどが立ち並び、来店客は店前の歩道でベルボーイにキーを渡すだけ。$7で駐禁道路に駐車とは・・。 Pが足りないだけに特権扱いとは・・・。
最初の頃は、ひとりで街中を歩き、店を覗き、歩道のベンチに座り、疲れればCafeで一杯のカプチーノで喉を癒し、悠久の時間を楽しんだ。
市中にあるビングクロスビーピアノ&バーで娘とふたりしてカクテルを手に往年の懐かしい曲に触れたり、スコット爺さんのステーキハウスで傘壽の祝いをして貰ったりしたのもこの街だ。
この街を支える自然も豊かで美しい。 時折、お愛居に夫婦鹿や親子連れのワイルドターキーに朝の挨拶をうけることがある。
ウオルナットクリークは、こんな自然に囲まれた街だ。
もっと、もっと歩いて置きたかった街だ。
終わり