今日も朝から雨が降っている。
名も知れぬ草の陰で観えないが昨年黄色い花を咲かせなかったニッコウキスゲが今年は花を咲かせてくれた。この狭い庭に移植して30年になる。肥料を与えようと雨の止むのを待った。雨で花は萎れていた。
妻を駅に送ってきて、留守居になり、なんやかんやとしながら、机の前に座りPCを立ちあげた。 誘われるように越路吹雪のシャンソンを聴き出した。 単身赴任時代に自宅に戻る時に、よく車の中で聴いたものだ。そう言えばパリの宿泊したホテルで夜の憩いに、リクエストをしながら本場のシャンソンを聴いたことを想いだした。
この時、大事に至らなかったが、こんなことも起きたことを想いだした。
こちらに出張で来て、たしか三日目の朝、6時頃に眼が覚めた。 起きようと思いベッドから身体を動かした。 ところが、どうしたことか起きれない。 一瞬、慌てた。 電話の所までも無理。 帰国も無理か・・。ギックリ腰のようだ。 そうこうしてるうちに、何とか歩けるようになった。
ここで判断ミスを犯した。運動をしようと・・。初秋でジョキングにはいい季節だ。 早速、着替えて早朝のセーヌ河の中州に向かった。ホテルの目の前にある。 自由の女神像を左手に観て、ひとり歩きだした。やはり運動はいいぞ! 腰は快調だ。全長700mかな。すれ違った人はたったの2人。ここで動けなくなったら・・後に無謀だと反省した。 それから対岸に渡り地下鉄のPassy駅前のCaffeで一休みをした。隅で女子大生が勉強をしていた。こんな早朝から開店しているCaffeがあるのだ。ここでこんなことを知った。 一杯の珈琲代がカウンターが安く、店内、そして店先の歩道へと値段が高くなるようだと知った。本当かな~・・言葉の通じない男の理解だしな~。そして腰を休め2000mほどの路を歩いてホテルに戻った。 それから三日間中州を歩いた。 毎朝、動かない腰を運動で動かし帰国の当日には嘘のように腰は動いてくれた。
PCで「ろくでなし、サントワマミ、愛の讃歌・・・」などを聴きながら現役時代を想い起こしていた。遠い昔の出来事でした。
終わり