気ままな旅


自分好みの歩みと共に・・

古い日記で想い出を再現・・  2編

2015-12-04 01:01:05 | 小さな旅日記

 数日前、息子に連れられて裏地が起毛の羽毛のコートを買った。軽くて安いのには驚いた。更に、娘からのマフラーを首に巻き完全武装をして、彩鮮やかさが峠を越えた桜並木通りを歩き掛かりつけの医院に行った。400m程の歩きだったが、少々完全武装し過ぎた。待合室で投稿した一行日記の想い出を思い返していた。

   04/05/21  筑波学園郵便局 「つくばに居を移して6か月。美しく心を和ませて呉れる街だ。遊歩道がよい」と記している。

 住まいのマンションと同じ並びに筑波宇宙開発センターの桜並木が続き、50m先には洞峰公園の樹々が、その手前には美味しい珈琲を飲ませる喫茶店シーガル、そしてその脇を車道と立体交差している自転車道路と文句なく整備された街並みだ。 早速、4段ギヤ付の自転車を買った。確か、還暦を迎えていた筈。 往復10kmの道のりは実に爽やかだ。時には、1000円札1枚をポケットに街の中心地に自転車を走らす。昼食と珈琲を1000円で賄う工夫が楽しい。一度、プラネタニュウム018 sized.JPGが観たく700円を払い残りが昼食になったことがあった。また、5月の連休に開催される「つくば国際祭り」は国際色豊かに各国の留学生団体がお国の食べ物を露店に並べる。各国の食事を一個づつ買い食いすれば安くて美味しい。子供のように人混みなかで楽しんだ。どこからも筑波山が見える。単身赴任の孤独な心を癒してくれた。公園には県営の50m温水プールもあり、冬場には鍛錬に通った。つくば新線がまだ開通していない頃の話。余り、居心地が良いと自宅に帰ることを忘れるほどの魅力ある街だ。IMG_3573 siz...杖をつきつき歩いてみたい。

  06/02/23  八重洲地下街郵便局 「名古屋に同期会に向かう途中に立ち寄る。モネー展もブリジストン美術館でみる」と記してある。 

 JR東京駅構内にPOがあるとは知らなかった。こう言う機会がないと入社同期の集いはない。毎年、名古屋での全国会議の前夜に召集を掛ける。楽しみだ。美術館巡りもできた一日になった。案内役は地元のN君。一切すべてお任せとは幸せ。昔の話になった。その彼ももういない。

  06/08/08  箱根強羅郵便局 「母を連れて妹ふたりも強羅の別荘に呼ぶ。強羅花壇で会食。母の嬉しそうな笑顔が素敵だ。」と記してある。

この時の写真が母の最期を飾った遺影になろうとは思わなかった。もう、21年も昔の話になってしまったと知った。この別荘はもうない。

 06/08/10  御殿場郵便局「母と4人で強羅の帰路、父の墓参に富士霊園に行く途中で、花を買った脇に見つけた・・・」と記してある。

墓地は1区だ。盛岡の先祖の墓所は遠すぎると富士の裾野に手当していた。5月は素晴らしい景観になる。後年、法事で訪ねた折、降雪に見舞われ止む無く車を置いて雪解けを待って引き取る始末。更に近いところに探さねばならないかと思料している今日である。こんな問題が起きようとは・・。

 06/04/22  神戸パークシテイ内郵便局 「神戸にY氏を訪ねる。夜の老女の弾くシャンソンの調べは素敵だ。ホテルも良かった」と記してあった。

単身赴任の地で親しくなった。ふたりして赴任地でアトリエ内部仕事の関係で交友を深めた。陶器や絵画の美術館巡りなどで意気投合した。定年退職され戻られた神戸を訪れた。神戸市立小磯記念美術館に案内された。夜、三ノ宮で老女の弾き語りのシャンソンバーで心が和んだ。その後、残念にも病に倒れた。ご冥福を祈る。

  07/04/10  千代田七会郵便局「千代田公民館に行く途中に見かけ、やっと行けた感の郵便局。本陣が近くにあり旧道のようだ」と記してある。

 国道四号線の旧道を偶然みつけた。小さな郵便局だ。これこそ巡り会いたい簡易郵便局である。知らない地の郵便局を、それとなく探す楽しみが醸成されてきた。

 

 たった一行の日記に、忘れずに訪れた当時の模様が浮かんでくるから不思議だ。記憶し、覚睡する脳とはたいしたものだ。やはり、これまでも懐かしく何回か読んでいるからであろう。

終わり