歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

正倉院宝物の下着「紅布杉」がベニバナで染められていた

2009年04月25日 | Weblog
 宮内庁正倉院事務所(奈良市)が24日、正倉院に伝わる赤い布の下着「紅布衫(べにのぬののさん)」(奈良時代)がベニバナで染めた国内最古の布製品と確認したことを発表した。正倉院宝物でベニバナが確認されるのは初めて。
 衫(さん)は下着などに使われる衣服。紅布衫は丈84cm、幅57.5cmの麻布製で、単(ひとえ)仕立て。奈良時代の麻布の幅は一般的に70cm前後で、端を10数cm切り落として、子ども用に仕立てたとみられる。肩の部分にほつれたような跡があり、もともとは袖がついていたらしい。
背面の裾に「刑部小君(おさかべのおぎみ)」という人物名が墨書され、新たに「天平十三年(741)十月」との記載も見つかった。
都の近国では納税の期限が10月と決められており、近国の国司か郡司が租税の一つ「調庸物」として納めた布が使われた可能性が高い。
 全体に紅系統の色がよく残り、蛍光分光分析と紫外可視分光分析の結果、ベニバナ染め製品のデータと一致。当初はさらに鮮やかだったとみられる。ベニバナは退色しやすく、古代の染色が残ることは極めて珍しいという。
[参考:産経新聞、共同通信]
過去の関連記事・情報
 藤ノ木古墳 夏に咲くベニバナの生花を石棺に納めた

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 守山市・下之郷遺跡 正倉院... | トップ | 岡山市・南方遺跡 現地説明... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事