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橿原市・新堂遺跡 5世紀前半の木製椅子、須恵器、馬の骨などが出土

2017年02月16日 | 竹姫(浄岸院)
 橿原市教委と奈良県立橿原考古研は15日、橿原市の新堂遺跡で、古墳時代中期(5世紀前半)の川の遺構から大規模なしがらみ(柵)遺構、木製の椅子、須恵器、柵、馬の骨などが多く出土したと発表した。
 大型店舗建設に伴い、市教委と橿考研が共同で約7000㎡を調査した。
① 幅約15~35m、深さ最大約2・5mの川跡を検出。川の勢いや流れを変えるためと考えられる大規模なしがらみ遺構が見つかった。
② 木製の椅子はコウヤマキの一木造りで、高さ約12cm、幅約35cm、奥行き約16cm。儀礼の場で使われた可能性があるという。曲線を生かした優美な造り。このほか、木づちや刀を模した祭祀具も見つかった。
③ 壺や甕、高坏、器台など70点以上が出土。朝鮮半島の伽耶地方産の特徴「火炎形透かし」といわれる穴の装飾をまねたものをはじめとし、試作品などのようなものも含まれ、朝鮮半島の文化を取り入れ日本で生産が始まった須恵器導入期の資料として注目される。 これまで知られていない須恵器の窯が近くにあった可能性があるともしている。
④ 馬とみられる肩甲骨や歯が出土し、複数の馬を飼っていた可能性もある。

 今回の出土品のうち、木製品以外は、15日から6月まで「歴史に憩う橿原市博物館」で展示される。
 腰かけなどは今月26日(日)と3月4日(土)の午後1時半から、同館そばのクリーンセンターで開く成果報告会で公開される。
[参考:共同通信、奈良新聞、読売新聞、産経新聞、毎日新聞、朝日新聞、NHKニュース、TVN奈良テレ放送]


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