歴歩

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さいたま市 調神社

2017年01月16日 | Weblog
 
               調神社                                   新旧狛兎

今年の初詣は、さいたま市の調(つき)神社でした。 (埼玉県さいたま市浦和区岸町3丁目17-25)
鳥居のない、狛犬の代わりに狛兎がいます。
古来より、社名の「調(ツキ)」を「月」にかけた月待信仰と結びつき、兎を神使とみなす兎信仰が行われるようになったといいます。
古代の当地は武蔵国足立郡に属しており、『延喜式神名帳』に記載される「足立郡四座/大一座/小三座、足立神社 氷川神社 調神社 多気比売神社」の調神社に比定されています。
境内の由緒説明板には、
「当社は天照大御神、豊宇気姫命、素盞嗚尊の三柱を祭神とする。
延喜式内の古社にして古くより朝廷及び武門の崇敬篤く調宮縁起によれば、第九代開花天皇乙酉三月所祭奉幣の社として創建され第十代崇神天皇の勅命により神宮斎主倭姫命が参向此の清らかな地を選び神宮に献る調物を納める御倉を建てられ、武総野の初穂米調集納蒼運搬所と定めらる。倭姫命の御伝により御倉より調物斉清の為め当社に搬入する妨げとなるため鳥居、門を取拂はれたる事が起因となり現今に到る。」
と書かれています。
ところが、祭神については、『江戸名所図会』には「月読命一座」とし、『新編武蔵風土記稿』では後人の擬書に「稚日本根子彦大日天皇(開花天皇)と瀬織津比咩」としているものがあったり、土地の人は、「日の神、倉稲荷玉命」の二座を祭ると記しています。
調神社の所在地(町名)は岸町ですが、以前も岸村でした。『新編武蔵風土記稿』に、「岸村は(略)、上古此の辺大なる川ありて其岸にのそみし村なる故かく名つくと云」と記されています。この辺一帯は台地となっており、当神社鎮座地は標高(海抜)16mです。大宮区の氷川神社が標高12mであることからみても高台にあることがわかります。西南方向約1kmのところにある白幡沼の標高が9mであり船着場が近くにあっても地形的に不思議ではないです。
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