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小郡市・大保横枕遺跡 弥生時代前期の二重環濠全体を発掘

2008年09月18日 | Weblog
 小郡市教育委員会は17日、小郡市運動公園の西側隣接地にある同市大保の大保横枕(おおほよこまくら)遺跡で、弥生時代前期の二重構造の堀「環濠」のすべてを発掘したと発表した。
 弥生時代後期の吉野ケ里遺跡では、二重構造の環濠のすべてが発掘されている。弥生時代前期以前では、福岡市の那珂遺跡などで二重構造の環濠が部分的に発掘されているが、環濠の全体を発掘したのは国内で初めてという。
環濠は楕円形で、内環濠が南北61m、東西54m、外環濠が南北88m、東西79mで円周は250mになる。ともに幅2・5~4m、深さ1~2mのV字形に掘られている。
 二重環濠は、堀の内側に設けた住居や食料倉庫を野獣などから防衛するために掘られたとされる。二重環濠の内側や周辺には、7軒の住居跡や食料を保管した約100基の貯蔵穴、外側の南方に墓地の一角もが発見された。
 出入り口となる「陸橋」は、内環濠が南側に1カ所、外環濠は南と北東側に1カ所ずつあった。
 出土した土器などから時代を特定し、両環濠がほぼ同時に存在していたらしい。
 小郡市教委は今後、住居や貯蔵穴の年代を特定し、環濠との関連を調べるという。
 調査は、ショッピングセンターの建設を控え、約11万㎡の開発面積のうち、遺跡にかかる3万5300㎡を対象に5月から始まり、年末まで続けられる。広大な土地を調査したため、二重構造の環濠の全体を発掘できたという。
 小郡市埋蔵文化財調査センター(0942・75・7555)は、20日午前10時と同11時、現地を一般公開する。
[参考:朝日新聞、西日本新聞、毎日新聞]

弥生前期の二重環濠 小郡市 全体発掘は全国初(西日本新聞) - goo ニュース

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