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京都市・興正寺 掛け軸「雲龍図」が江戸前期の狩野探幽作と判明

2010年03月20日 | Weblog
 浄土真宗興正派本山の円頓山興正寺(京都市下京区)は19日、同寺で保管する水墨画の雲龍図の掛け軸が、江戸前期の狩野派の絵師・狩野探幽の作品であることが確認されたと発表した。
 雲龍図は絹地に嵐の海の上で雲をまとう竜が画面いっぱいに描かれた水墨画で、縦約115cm、横約202cmm。表面右下の落款に「行年七十歳 法印探幽」の署名と探幽が後水尾法皇から拝領した「筆峯大居士」の落款があったが、今回、三井記念美術館(東京)学芸員の樋口一貴さんが同館所蔵の探幽の印鑑(後水尾法皇から探幽に贈られた印)と同図の落款の印影「筆峯大居士」を比較したところ完全に一致した。「行年七十歳」から、1671(寛文11)年に描かれたとみられる。
 一方、探幽から同寺関係者にあてた書状が1986年に見つかったが、報酬のお礼や、中風で手を痛めていることを説明した記述は、探幽が70歳前後に中風だった事実と一致。当時の作品であることの証明になるという。樋口さんは「画家と注文主の関係などがうかがえる資料」としている。
 樋口学芸員は「若いころの雲龍に比べ、顔の輪郭が力強く臨場感がある。晩年の成熟した大胆さがうかがえる。大きな掛け軸に描こうという強い意志を感じる。探幽の画業を考える上で貴重。」と話している。
[参考:時事通信、共同通信、読売新聞、産経新聞、毎日新聞]

狩野探幽の雲龍図と確認=京都・興正寺の掛け軸(時事通信) - goo ニュース
興正寺・雲龍図、江戸前期の狩野探幽作と発表(読売新聞) - goo ニュース

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