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千葉・取掛西貝塚 日本最古の獣骨(イノシシ)祭祀跡

2009年01月14日 | Weblog
 船橋市教委は13日、同市飯山満(はざま)町1の取掛西(とりかけにし)貝塚から、祭祀とみられる儀式に使われたとみられる約1万年前のイノシシの頭蓋骨十数体分が見つかったと発表した。
市教委によると、儀礼目的とみられる獣骨としては国内最古。縄文時代早期の人類の宗教的観念について、これまでの考古学の通説を覆す可能性のある発見だという。
 市教委によると、イノシシの頭蓋骨は昨年6、7月の調査で、竪穴式住居跡の貝層下のくぼ地(直径約8m、深さ約1m)に幼獣から成獣まで整然と並べられた状態で見つかった。肉食後に捨てたなら雑然と放置されているのが自然であることから、使わなくなった住居に、儀礼のため骨を配置したとみられるという。同時に出土したヤマトシジミの年代測定で約1万年前のものと分かった。
 国立歴史民俗博物館によると、儀礼目的とみられる獣骨は、これまでに静岡県伊東市井戸川遺跡など国内4カ所で報告されており、北海道釧路市の東釧路貝塚で放射状に並べられた6000~7000年前のイルカの頭蓋骨が最古とされていた。約1万年前の縄文人については、精神生活の解明につながる史料がなかった。
 国立歴史民俗博物館の西本豊弘教授(動物考古学)は「これまで縄文時代早期の人たちには儀礼的な観念はなかったと考えられていたが、今回の発見で、動物を単なる食糧ではなく、信仰のような観念論的な対象物としてとらえていたことがうかがい知れる。画期的な発見だ」と評価している。
 また、赤褐色で厚みのある「大浦山式土器」も出土し、比較的大きく、良好な状態という。これまでは神奈川県東部を中心に出土しており、この土器が下総台地で見つかったのは初めてとされる。
 市内ではこれまで、縄文時代早期後半に当たる約七千年前の飛ノ台貝塚(同市海神四)が最古とされていた。
[参考:毎日新聞、産経新聞、東京新聞、共同通信、読売新聞]
獣骨を使った最古の儀式?貝塚にイノシシの骨…千葉・船橋(読売新聞) - goo ニュース


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