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出雲市・高浜Ⅰ遺跡 日本最古(室町時代)の将棋盤が出土

2010年12月23日 | Weblog
 島根県埋蔵文化財調査センターが22日、出雲市高岡町の高浜I遺跡で、15世紀半ば~16世紀初め(室町時代)の将棋盤の一部が出土したと発表した。現存する将棋盤では最古とみられる。
 出土したのは盤の両端部分で、4分の1ほどにあたるスギ板2枚で、大きさは長さ37.6cm幅5.7cm、厚さ0.9cmと長さ38.1cm、幅8.8cm、厚さ1cm。いずれも盤に赤外線を当てると表面に約4.2cm四方のマス目が9つ確認できた。 現在の一般的なサイズ(約3.3cm)より大きい。側面にくぎを打った跡があり、脚や台座付きだった可能性が高い。表面には刃物による傷跡もあり、まな板などに再利用されたとみられる。
 大規模な建物跡近くのゴミ捨て場とみられる穴から漆器や木簡などと見つかり、木簡に書かれた「永正3年(1506)」の文字から年代を特定した。放射性炭素を分析する年代測定でも15世紀半ばを示した。
 また、別の柱穴からは五角形の駒2枚(いずれも高さ3.5cm、幅2.5cm、厚さ0.5cm)が別々に出土したが、文字は判読できなかった。こちらは、中将棋(12マス四方のマス目で使用)の駒の可能性があるという。
 将棋盤は東京都の溜池遺跡(千代田区永田町、港区赤坂)で発見した18世紀(江戸時代)のものしか残っておらず、出土はまれ。将棋の記述がある最古の文献資料には藤原行成の「麒麟抄(きりんしょう)」(11世紀初め)だが、形状などの実態はほとんど分かっていなかったという。
 将棋盤と駒は、県立古代出雲歴史博物館(出雲市大社町)で23日~1月10日まで、出雲弥生の森博物館の「新発見!とっとり・しまね発掘速報展」で1月15日から2月13日まで展示される。
[参考:時事通信、共同通信、中国新聞、山陰中央新報、日本海新聞、産経新聞、読売新聞、島根県埋蔵文化財調査センターHP]

国内最古、室町時代後半の将棋盤出土…出雲(読売新聞) - goo ニュース
日本最古の将棋盤が出土=15世紀中ごろか―島根・高浜遺跡(時事通信) - goo ニュース
日本最古の将棋盤が出土 出雲の遺跡から、室町期(共同通信) - goo ニュース

過去の関連ニュース情報
 2009.3.13 徳島市・川西遺跡 13世紀の将棋の駒「本横」(奔王)が出土
 2008.3.27 甘粛省 西夏文字の象棋の駒「士」を発見


2011.1.23追記
 第37期女流名人位戦5番勝負第1局が本日(1月23日)出雲市浜町の出雲文化伝承館で行われるのを前に22日、タイトル防衛に臨む里見香奈女流3冠 (出雲市出身)と挑戦者の清水市代女流6段(東村山市出身)が、出雲弥生の森博物館(出雲市大津町)を訪れ、昨年出雲市内の遺跡から出土した国内で最古の将棋盤を見学した。
[参考:NHKニュース、読売新聞]
 第一局は先手里見香奈女流3冠の勝ちとなった。


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