歴歩

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モンゴル・ドルリクナルス匈奴墓群 2千年前の匈奴の人骨を発掘

2009年08月29日 | Weblog
 韓国国立中央博物館は27日、韓国とモンゴル共同考古学学術発掘調査計画(MON-SOL PROJECT)一環で、去る6月29日以後8月21日までモンゴル科学アカデミー考古学研究所,モンゴル国立博物館と共同で、モンゴル首都ウランバートル北東側500kmの「ドルリクナルス(도르릭나르스、Dorlic Nars、Duurlignars)匈奴墓群」を発掘調査した成果を発表した。
 2002年に地表調査の結果、198基に達する匈奴時代墓が発見されている。
 今年はその中から、第5号墳をはじめとして、墓の長さ30m、埋葬主体部長さ20mの1号墳周辺に配置された陪葬墓(배장묘)7基中4基を発掘した。

 1号墳周辺で確認された陪葬墓は、土地を掘削して墓壙を設け,その中に木棺のような施設を安置した後、土で覆い、石を撒いた構造であった。調査を完了した陪葬墓4基は基壙形状が長方形あるいは長楕円形であり、深さが130-360cmほどであった。埋葬施設では木槨と木棺を備えたのがあるかと思えば、木棺だけ発見されたのもある。
 「W1陪葬墓」では銅鏡(동경)、鉄で作った丸い器の鐵鍑(철복)、丸玉(환옥)などが出土した。銅鏡は漢代の日光鏡(일광경)として注目される。
 「E1陪葬墓」では壷3点が出土した。
 「E2陪葬墓」では、手足をまっすぐに仰向にして埋葬された、2千年前の匈奴の人骨1体が完全な形態で発掘された。

 5号墳は、上から見た墓壙とそこに通じる墓道が凸字形の構造で、木槨と木棺を備えた墓であった。埋葬主体部(墓壙)は全体規模が長さ10m、北側幅9m,南側幅8mで、地表面から地下7m深さまで、梯子状に計4段を作って、範囲を狭めながら降りて行く方式で造成したことが明らかになった。その南側の中央に設けた墓道は長さ6mで、この地域の他の匈奴墓に比べると短い。
 木棺は木槨南側壁面に近接するように安置した反面、木棺北端壁で木槨からは各種遺物を置く副葬空間に使ったらしい。
 墓はすでに盗掘されているため、出土遺物がそれほど多くはないが,副葬空間から青銅壷、土製灯皿、金製円形装飾,青銅製漆器脚などが収集された。
[参考:2009.8.27聯合ニュース、韓国国立中央博物館HP]

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