歴歩

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大津市・宇佐山古墳群 石棺が出土し、内部からは赤色顔料が塗られた頭蓋骨も

2010年06月28日 | Weblog
 滋賀県文化財保護協会が28日、大津市神宮町の近江神宮境内にある宇佐山古墳群で、古墳時代中期前半(5世紀前半)の古墳から花崗岩製板状の石材を組み合わせた箱式石棺(内寸:長さ158cm、幅24~36cm、高さ30cm)。がほぼ完全な状態で出土し、中から魔よけの顔料で赤く染まった頭蓋骨が見つったと発表した。
 宇佐山古墳群は琵琶湖を見下ろす宇佐山(標高335m)の山腹・標高約150mにあり、これまでに、古墳時代後期(6世紀ごろ)の古墳が12基出土している。日本海側と畿内を結ぶ琵琶湖の水運に従事した有力者の墓ではないかとしている。
 頭蓋骨は20~40歳の成人男性のもので、上顎までで下顎から下の骨はなかった。身長は推定約155cmとみられ、足を伸ばした姿勢で埋葬されたらしい。頭蓋骨の位置から琵琶湖側に足を向ける形で収められていたとみられる。頭蓋骨や棺の内側は、当時、魔よけとして儀式に使われた赤色顔料が塗られ、「朱」か「ベンガラ」とみられる。赤く塗られた人骨は弥生から古墳時代の古墳などで、山陰地方から丹後地域にかけて出土した例があり、県内では打下(うちおろし)古墳(高島市)でも赤く塗られた頭蓋骨が見つかっている。
 石棺を覆っていた粘土の中から鉄剣や鉄鏃などの副葬品が出土した。土器は見つからなかったが、鏃の形などから年代を推定した。
 現地説明会は7月4日(日)午前10時と午後1時半から開かれる。
[参考:共同通信、産経新聞、ABC関西ニュース、読売新聞、滋賀県埋蔵文化財保護協会HP]

大津の古墳、未盗掘石棺から完全な頭骨(読売新聞) - goo ニュース



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