歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

浜松市・稲荷山古墳 大和と共通する造り方、市指定史跡へ

2010年02月18日 | Weblog
 浜松市文化財保護審議会は17日、古墳時代中期前半(5世紀前半)の稲荷山古墳(同市浜北区内野)を市指定史跡に上申する。教育委員会の審議を経て3月中に正式指定される。
 一昨年の試掘調査では、二段上の墳丘(2段築成)が確認され、人工造成の二段目に並んだ葺き石は、関西の大型前方後円墳と同様の工法を用いたことが判明。大和との係わりを示す構造は、市内に残る古墳の中でも珍しいという。
 段の間には平坦面(テラス)がみられたが、残念ながら埴輪は見つかっていない。
 稲荷山古墳は直径37m、高さ4・3mの円墳。三方原台地東縁にある内野古墳群の一つ。南側近くの県指定史跡・赤門上古墳(注1)の埋葬者に続き、天竜川平野を治めた首長を葬ったとされる。
 円墳としては市内で3番目の大きさ。墳頂部は盗掘などで壊された形跡がなく、埋葬品が眠る可能性もある。葺石などは調査後、埋め戻してある。
 史跡指定後は現地で見学会を開く予定。
[参考:中日新聞、浜松市HP→浜松の文化財]

(注1)赤門上古墳(浜松市浜北区内野)
前方後円墳、全長56.3m、後円部の直径36.2m、高さ4.9m、前方部は幅14.7m、高さ1.15m。後円部が北。
築造: 4世紀後半または末
出土品: 後円部よりクスノキ製木棺(全長5.58m)、副葬品として内部より華紋日月天王四神四獣鏡(三角縁神獣鏡、椿井大塚山古墳や佐味田宝塚古墳と同范)、銅製の鏃、剣、直刀、鉄製の斧頭、鉄製の鍬、鉈など金属製品が多数発掘されている。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大津市・穴太遺跡 古墳時代... | トップ | 向日市・長岡宮跡 内裏跡から... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事