歴歩

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大津市・三井寺法明院 源信「二十五三昧私記」の最古の写本やフェノロサ受戒表白文など大量の資料発見

2019年02月21日 | Weblog
 大津市が20日、三井寺の法明院からフェノロサに関する文書など2000点近くもの新たな資料が見つかったと発表した。 大津市は、来月、開催される企画展に向けて一昨年11月から調査を進めていた。

◆明治初期に日本美術の保護に尽力したアメリカ人のフェノロサが仏教の戒律を授けられた際の文書には「施與諦信■菩薩金剛寶戒」(=たいしんにぼさつこんごうほうかいをあたえる)と記されている。(■は草冠に寺?)
フェノロサは、日本美術を通じて仏教に出会い「諦信」の名で仏教に帰依したことが知られていた。文書は桜井敬徳法明院住職(1834~89)の筆跡で、フェノロサは1885年に親交の深かった桜井住職から「菩薩戒」の戒律と「諦信」の法号を授かったという。 フェノロサが戒律を授けられた際の資料が見つかったのは初めて。

◆「二十五三昧私記(式)」の写本は金箔銀箔で装飾しており、仏に供えるなど儀礼的な目的で作られたらしい。
恵心僧都源信(942-1017)を指導者として結成した念仏者集団二十五三昧会のために念仏を唱える方法などを記し、極楽往生を願った。文書に登場する僧の名前などから、平安時代後期に書かれた原本を基に、14世紀に書き写したとみられる。真言宗の醍醐寺(京都市)の僧の求めに応じて天台座主が贈ったという内容が書かれている。

大津市歴史博物館(大津市御陵町)に於いて、「企画展 フェノロサの愛した寺 法明院 -三井寺北院の名刹」(平成31年3月2日(土)~4月14日(日))に開催される。

律宗 唐土山 法明院
享保八年(1723)に義瑞律師性慶によって開かれた。天台寺門宗総本山三井寺(園城寺)の北院にある律宗の寺院。
[参考:共同通信、京都新聞、毎日新聞、読売新聞、BBC琵琶湖放送、NHK、大津市歴史博物館HP]


大津にフェノロサ受戒の文書 園城寺、手紙の記述裏付け

日本美術のフェノロサ「受戒」の証し、三井寺で発見
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