昨日9日、東京国立博物館・平成館大講堂で開催された講演会で、森本公誠東大寺長老が「聖武天皇と東大寺-東大寺ミュージアム オープンに寄せて-」と題して講演会を行い、その中で、奈良市の東大寺・法華堂(三月堂)で、本尊の不空羂索観音像が乗る基壇と法華堂に使われた木材が729~731年に伐採されたことが分かったことを明らかにした。
本尊の不空羂索観音立像(国宝)が立つ八角須弥壇(幅6.9m)の修理を機に、総合地球環境学研究所(京都市)光谷拓実客員教授が年輪調査を実施し、部材の1本ヒノキ皮付きの木材を測ったところ729年伐採と判明した。ほかに、建物から採取した二つの木材の伐採年はそれぞれ730年と731年と判明。
平安時代に編纂された「東大寺要録」は、法華堂は天平5年(733)に建てられ始めたと記すが、近年は屋根瓦の研究をもとに、740年代との見方が有力だった。 今回の発見は、信憑性が低いとされてきた東大寺要録の記録を裏付ける結果となった。
森本長老は「観音像も729年以前に造られたものだろう。法華堂や観音像は728年に幼くして亡くなった聖武天皇の皇子・基王(727-728)のために造られた可能性が高い。」と話した。
[参考:産経新聞、毎日新聞、朝日新聞、東京国立博物館HP]
本尊の不空羂索観音立像(国宝)が立つ八角須弥壇(幅6.9m)の修理を機に、総合地球環境学研究所(京都市)光谷拓実客員教授が年輪調査を実施し、部材の1本ヒノキ皮付きの木材を測ったところ729年伐採と判明した。ほかに、建物から採取した二つの木材の伐採年はそれぞれ730年と731年と判明。
平安時代に編纂された「東大寺要録」は、法華堂は天平5年(733)に建てられ始めたと記すが、近年は屋根瓦の研究をもとに、740年代との見方が有力だった。 今回の発見は、信憑性が低いとされてきた東大寺要録の記録を裏付ける結果となった。
森本長老は「観音像も729年以前に造られたものだろう。法華堂や観音像は728年に幼くして亡くなった聖武天皇の皇子・基王(727-728)のために造られた可能性が高い。」と話した。
[参考:産経新聞、毎日新聞、朝日新聞、東京国立博物館HP]