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file .261 Jim ABBOTT 【ジム・アボット】

2008-10-01 | ABC
【隻腕のエース】
Jim ABBOTT

1967年、ミシガンで生まれたアボットは、
先天性右手欠損....右手首より先が無い、という
ハンディキャップを背負って生まれた。
両親は、高校を出たばかりの18歳同士、
生まれてきた赤ん坊を見た時の衝撃は計り知れないが、
二人は悲観せず、普通の子供として育て、
アボットのやりたい事を、好きにやらせた。

やがて野球を始めたアボットだったが、
問題は守備であった。
アボットは、投球時にグローブを右手首に乗せ、
投球直後にそのグローブを即座に左手にはめる...という動作を
時間をかけ何度も練習し、ついに会得。
高校、大学と、投手としてプレーし続け、その才能を開花。
ついには、ソウル・オリンピックの代表メンバーに選出され、
金メダル獲得の原動力となった。

1989年、カリフォルニア・エンゼルスに入団したアボットは、
マイナーでのプレーを経ず、防御率3.92、12勝をマーク。
5月17日には、レッドソックス相手に完封、
ロジャー・クレメンスに投げ勝つ...という大金星をあげている。
新人王レースでも5位に付け、
早くも、チームのローテーション入りを果たした。

91年は、アボットにとって、最高の年となった。
防御率2.89、18勝という素晴らしい成績で、
サイ・ヤング賞の投票では3位にランクイン。
チャック・フィンリーやマーク・ラングストンといった面々と共に、
主力投手としてチームを支えた。

92年も7勝ながら防御率2.77と好投し、
安定した投球を見せたアボットだったが
93年、J.T・スノウらとのトレードでヤンキースへ移籍。
この年の9月のインディアンズ戦では、
ノーヒット・ノーランを達成。
インディアンズ打線には
ケニー・ロフトン、カルロス・バイエガ、アルバート・ベル、
売り出し中のジム・トーミー、
この年デビューしたマニー・ラミレスなどがおり、
今見ると、かなり豪華な布陣であった。

その後、ヤンキースを経て、
シソックス、エンゼルス、ブルワーズと渡り歩いたアボットだったが、
91~92年頃のキレのある投球は復活せず、
1999年、ブルワーズを最後に現役を引退した。

通算263試合、87勝、防御率4.25。

とある試合、
無意識にセーフティバントの構えを見せ、
投手がアボットだと気づき、バットを引いた選手に対し、
「何故バントをしなかった?? あの場面ではあり得る作戦だろ?? 
私に気を使う事は無いし、バントをしない事は逆に私を見下してる事になるんだぜ」
と言い放ったという。

男・アボット、歴史に残る名レフティである。

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