GUMBO

.

file .276 Bill BUCKNER【ビル・バックナー】

2009-01-29 | ABC
【Billy Buck is BACK!!!!!!!!】
Bill BUCKNER

ビル・バックナー=WSでのトンネル....。
一度付いてしまったイメージはいかんともし難いが、
バックナーは、当時メジャーでも屈指の、打撃の職人であり、
60~90年代にわたりメジャーに在籍した
4ディケードプレーヤーでもある。


1968年、ドラフト2位指名でドジャースに入団したバックナー。
71年、21歳の若さでメジャーデビューすると、
72年には打率.319、5本塁打、37打点をマーク、
早くも、その好打者ぶりを発揮する事となる。

74年には打率.314、7本塁打、58打点、31盗塁、
76年は打率.301、7本塁打、60打点、28盗塁...と
安定した成績を残していたバックナーだったが、
77年、トレードでカブスへ移籍。
新天地でも78年に打率.323、5本塁打、74打点、
80年には打率.324、10本塁打、68打点で首位打者を獲得するなど活躍。
リーグを代表するヒットマシーンとしての地位を確立した。

バットコントロールに秀で、三振は少ないが
その一方で、早いカウントから打ちに行くので四球も少なく
出塁率は高く無い。
元々は外野手 兼 一塁手だったが、カブス移籍に伴って
本格的に一塁手へコンバート。
名手までとはいかないまでも、守備は悪くは無かった。

その後もカブスの主力打者として活躍、
82年には打率.306、15本塁打、105打点...と
勝負強いクラッチヒッターぶりも見せつけた。

84年、打率.209と低迷するバックナーは
シーズン途中でレッドソックスへトレード移籍、
初のアメリカンリーグであったが、
新天地では打率.278、11本塁打、67打点と
期待通りの働きをしてみせた。

85年、打率.299、16本塁打、110打点と、
ベテランらしい渋い活躍を見せ、
86年も打率.267、18本塁打、102打点..でチームを牽引、
ウェイド・ボッグス、ジム・ライスらと共に、
無くてはならない貴重な戦力として
レッドソックスのリーグ優勝に大きな貢献を果たした。

.......が、思わぬ出来事がバックナーを襲う。
メッツとのワールドシリーズ、
レッド・ソックスが3勝で優勝にリーチをかけた第6戦。
ランナーを置いた状況で、メッツのムーキー・ウィルソンの一塁ゴロをトンネル、
決勝の走者を還してしまい、
チームのサヨナラ負けを大いに演出してしまう。

結局、ワールドシリーズはメッツが制し、
バックナーは最大の戦犯として、
ファンから非難を浴びる事となってしまった。

その後、エンゼルス、ロイヤルズと渡り、
90年、因縁のレッドソックスで22年におよぶキャリアの幕を降ろした。

通算2715安打、183本塁打、1208打点、打率.289。

殿堂入りは果たせず、
バックナーについて語られるのは常にエラーの事ばかりである。
が、10回裏、あと1つアウトを取れば勝ち...という、二死走者無しの状態から、
三連打&ワイルドピッチで同点......。
これは異常ともいえる状況であり、件の敗戦はバックナーの所為とは言い難い。
結局、バックナーは、この歴史的敗戦の責を一人で背負わされてしまったに過ぎないのである。

2008年4月、フェンウェイパーク、
レッドソックスの本拠地開幕戦のオープニングセレモニーは
バックナーの始球式がハイライトであった。
すでにバンビーノの呪いは解かれ、
満員の観客はバックナーに割れんばかりの歓声を送った。
こみ上げる涙をこらえられないバックナー。

バックナーの長い『トンネル』が終わった瞬間であった。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
american pastime (dwsgs259)
2009-01-30 00:11:08
敗者無くして勝者あらず。

ゲームには勝ち負けがつきものですが
勝つ事のみが求められていないのが
日米の違いのように感じます。

バックナーのエラーは見る者を魅了した、
とでも言うのでしょうか。
アメリカンパスタイムの真髄ここにありき、というのが
1986年のWS第6戦ではないでしょうか。



返信する
american pastime (管理人)
2009-01-30 00:39:05
なるほど、
確かに、魅了した...というのは
その通りかもしれませんね。
ラルフ・ブランカ、
ミッチ・ウィリアムス、
そしてバックナー....etc....

メジャーの歴史を彩る幾多の敗者は
皆、魅力的ですね。
返信する

コメントを投稿