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file .278 OIL CAN BOYD【オイルカン・ボイド】

2009-02-20 | ABC
【缶ビール・ボイド】
OIL CAN BOYD

メジャーリーグ史上、屈指のカラフルな投手である。

1980年、レッドソックスに入団したボイドは
83年、本格的にメジャーデビューを果たし、
防御率3.28、4勝8敗...とまずますの成績を残した。

翌84年は、ローテーションの一角を占め、防御率4.37、12勝12敗。
85年は、272イニングを投げ、防御率3.70、15勝13敗...と
ブルース・ハーストや、若きロジャー・クレメンスらと共に、チームを支え、
86年は防御率3.78、16勝10敗で、リーグ優勝に大きく貢献、
リーグを代表するピッチャーの一人に成長した。

ボイドの名を全国区にまで知らしめたのは
投手としての実力だけでは無く、
むしろ、そのキャラクターの濃さであった。
エキセントリック/短気/派手なパフォーマンス....。
相手打者を打ち取ると、腕を突き上げ咆哮し、
時には、手をひらひらとそよがせて打者を小馬鹿にするような仕草をしてみせた。
86年、好成績を残していながらオールスターに選ばれなかった時は
我を忘れて怒り爆発、精神病院に担ぎ込まれ、
さらに同年、ワールドシリーズ7戦の先発を天候の影響で逃すと、
(スライド登板出来ず、ハーストにその座を奪われた)
子供のように泣きじゃくった。
尊敬するサッチェル・ペイジを真似て
『シンキング・シンカー』『スリッパリー・スライダー』など、
自分の持ち球に名前を付けたりもした。
ちなみに本名はデニス・ボイド。
『オイルカン』のニックネームは、ボイドが大のビール好きで
マイナー時代、試合前に6本もの缶ビールを飲んでいた事に由来する。
ボイドの故郷、ミシシッピでは、ビールをオイルと呼んでいたのだ。

ともあれ、メジャーリーグの名物男として
知られるようになったボイドだが、
87年以降は、腕の故障もあって、精彩を欠いた。
90年にエクスポズへ移籍し、防御率2.93、10勝6敗と好成績をおさめ
久方ぶりに光を放ったが、それまで。
91年を最後にメジャーリーグの世界から姿を消した。

.......が、しかし
『50歳まで投げるのが夢』と語りしボイドが
31歳で夢を捨てるわけが無かった。
その後、97年まで独立リーグを中心に投げ続け、
2005年、45歳にして、独立リーグの『カナディアン アメリカンリーグ』の
ブロックトン・ロックスと契約。
17試合を投げ、防御率3.83、4勝5敗、69三振と、
年齢を感じさせない投球を披露した。

メジャー通算78勝77敗、防御率4.04。

50歳まであと一歩の今も、
虎視眈々とメジャー復帰を目指している.......かもしれない。