GUMBO

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file .296 Gregg JEFFERIES【グレッグ・ジェフリーズ】

2011-04-05 | JKL
【神童】
Gregg JEFFERIES

元プロ野球選手だった父親から英才教育を受け、
中学~高校時には、
大学の選手にまじってプレーする程の怪童だったジェフリーズ。
当然、全米が注目するトッププロスペクトとなり、
1985年、高校卒業と同時にメッツに1位指名され入団。
マイナーリーグでも2度に渡り最優秀選手に輝くなど
期待通りの成長を見せていた。

87年、弱冠19歳でメジャーデビューを飾ると
89年にはセカンドのレギュラーに定着し、
打率.258 12本塁打 56打点 21盗塁。
90年は.283 15本塁打 68打点 11盗塁、
順調に成長を続けていると見えたのだが、
91年、打率.272 9本塁打に終わると、
92年、メッツはジェフリーズをトレード放出。

移籍先のロイヤルズでも.285 10本塁打 75打点 19盗塁・・と
プロ入り前の期待とは大きくかけ離れた成績に終わったジェフリーズは
93年、今度はカージナルスへトレード移籍。
かつての神童は齢25にしてジャーニーマンのような扱いを受けた。

が、この年ついにジェフリーズの天賦の才が花開く。
.342 16本塁打 86打点 46盗塁。
翌94(短縮シーズン)年も.325 12本塁打 55打点 12盗塁。
2年続けてオールスターにも出場し、
ついにリーグ屈指の名選手と相成ったジェフリーズは
95年、FAでフィリーズへ入団。
.306 11本塁打 56打点 9盗塁をマークし、
サイクルヒットも記録するが、
足の怪我の影響もあり、以降は成績が振るわず、
結局2000年、タイガースで現役生活を終えた。

抜群の野球センスを持っていた所為か
二塁~三塁~1塁~外野・・・と
ポジションを転々としながら
通算1465試合 .289 126本塁打 663打点 1593安打を記録した。

file .295 Phil RIZZUTO【フィル・リズート】

2011-04-04 | ABC
【Holy Cow!】Phil Rizzuto

生粋のブルックリン子だったリズート。
が、地元球団のドジャースには身長の低さゆえに入団できず、
37年、ヤンキースと契約を結ぶ。

41年にメジャーデビュー。
1年目から.307をマークし、
チームのワールドシリーズ制覇に貢献。
2年目には.284 68打点 22盗塁。
オールスターにも初出場を果たした。

ショートの守備面においては、
肩は強くないものの、
俊敏な動きでカバー、沢山の華麗なダブルプレーを決め、
その動きから『スクーター』のニックネームで呼ばれた。
打撃面では、非力ながら粘っこいアプローチで
相手投手を嫌がらせ、バントをさせれば当代随一の名手であった。

43年~45年、兵役に就いたため
3年間のブランクができたものの、
46年にチームに戻ると、
チームは47年~53年の間、
実に6度のワールドシリーズ制覇を成し遂げ、
リズートは内野守備の要として、
攻撃面でも渋い名傍役として
ジョー・ディマジオやヨギ・ベラといった面々と共にチームの黄金期を支えた。

49年、.275 5本塁打 65打点 18盗塁という平凡な成績にも関わらず
シーズンMVP投票では2位という高評価を得ると
50年は.324 7本塁打 66打点をマークし堂々のMVP獲得。
170cmに満たない小兵が、リーグNo.1選手の栄冠に輝いたのであった。

56年、38歳までヤンキース一筋でプレーを続け、
通算1661試合 打率.273 38本塁打 563打点 149盗塁。

現役引退後はヤンキースのキャスターとして
試合の実況を担当、名調子で人気を博し、
『Holy Cow!』(なんてこった!!!)は
リズートのトレードマークとなった。
ロジャー・マリスが61本目の本塁打を打った試合も実況。
『Holy cow, what a shot!』
(すげえ! なんて当たりだ!!)
・・・と例の名調子で試合実況を盛り上げた。

打撃成績が若干見劣りするためか
チームの黄金期を彩った名選手だったにも関わらず
殿堂入りが遅かった。
ファンはリズート殿堂入りキャンペーンを実施し、
1994年、ようやく晴れて殿堂選手の仲間入りを果たした。

file .294 Enos SLAUGHTER【イノス・スローター】

2011-04-03 | STU
【マッドダッシュ】Enos SLAUGHTER

1935年、カージナルスに入団したスローター。
38年にメジャーへ昇格すると
39年、.320 12本塁打 86打点という好成績を残し
2年目にして早くも頭角を現す。
この年から5年連続で打率.300以上をマーク、
42年は.318 13本塁打 98打点
46年は.300 18本塁打 130打点で打点王を獲得、
両年共にチームの世界一に大きな役割を果たす。

特に46年のボソックスとのワールドシリーズでは、
死球による怪我の所為でシリーズ出場も危ぶまれる中、
ドクターストップを制して強行出場。
世界一を決める大事な第7戦の8回で
走者として一塁にいたスローターは
次打者の単打性の当たりで大激走。
あっけにとられたジョニー・ペスキー遊撃手の判断ミスを誘い
一気にホームを陥れる事に成功した。
結局、この得点が決勝点になり
カージナルスは世界一の栄冠に輝いたのである。
この走塁は『マッドダッシュ(狂気の走塁)』と呼ばれ
伝説になるわけだが、スローターにしてみれば
平常時から心がけているハッスルプレーの一旦に過ぎないわけだった。

その後も49年に.336 13本塁打 93打点をマークするなど
安定した勝負強い打撃を披露。
40~53年の間10年連続でオールスターに出場し(43~45年は兵役)
リーグを代表する名選手としての地位を確立した。

54年からはヤンキースやアスレチックスを渡り歩き、
56年と58年はヤンキースで世界一の美酒に酔った。

通算2380試合 2383安打 打率.300 169本塁打 1304打点。
絶頂期の3年の兵役が無ければ、あるいは3000安打も達成していたかもしれない。

殿堂入りは1985年。
これほどの名選手の殿堂入りが遅れたそのわけは、
ジャッキー・ロビンソンに絡む人種差別問題があったからと言われている。
ロビンソンのドジャース昇格時には大いにそれに異を唱え、
ストもやむなし・・とナ・リーグ会長のフォード・フリックに詰めよった・・・とか
内野ゴロを打った時に、一塁を守るロビンソンに強烈なスパイクを浴びせた・・・とか
この件にまつわる逸話は少なく無い。

が、いずれも確証のない逸話の域を出てはいない。

file .293 Kirk GIBSON【カーク・ギブソン】

2011-04-02 | GHI
【ザ・ホームラン】
Kirk GIBSON

大学時代は野球/アメフトの両方で
八面六臂の大活躍を見せていたアスリートだったギブソン。
78年のドラフト時にはアメフトを蹴り、野球の道へ進む事となった。

そのポテンシャルの高さから
『ネクストマントル』の異名を戴いたギブソンは
79年にはメジャーデビューを果たし、
徐々に力を付け、83年にはレギュラーに定着。
84年、打率.282 27本塁打 91打点 29盗塁をマーク、
ワールドシリーズでも.333 2本塁打 7打点 3盗塁と大暴れ。
タイガースのリーグ優勝及び世界一に大きく貢献した。
85年、.287 29本塁打 97打点 30盗塁。
87年は.277 25本塁打 79打点 26盗塁で
地区優勝に貢献するなどチームの主軸として活躍していたギブソンだったが
88年、ドジャースにFA移籍、
.290 25本塁打 76打点 31盗塁と看板通りの活躍を見せ、
チームはリーグ優勝。
アスレチックスとのワールドシリーズに臨む事となった。

このシリーズ、ギブソンは折からの足の故障を悪化させ
まともに歩く事もままならない状態で迎える事になり、
ベンチ入りは果たしたものの、
スターティングラインナップにその名は連ねる事はどだい無理な事だった。
第1戦、チームは4-3と一点ビハインドのまま9回を迎えた。
アスレチックスのマウンドにはデニス・エカーズリーが
そのワイルドな風貌をたたえてドジャースに立ち塞がった。
たちまち2アウトを取られ、敗戦濃厚なムードが漂う中、
マイク・デービスが執念の四球で歩く。
次打者は投手のペーニャ。
当然代打の場面だが、その瞬間、
ドジャースタジアムの観客は信じられない光景を目の当たりにする。
手負いのギブソンがびっこを引きながら代打の打席に立ったのである。

騒然となるスタジアムだったが、
ギブソンはさらに魅せた。
なんとギブソンはエカーズリーから
奇跡の代打逆転サヨナラホームランを放ったのだ。
ガッツポーズを決めながら、
ヨタヨタと足をひきづりながらダイアモンドを回るギブソン、
チームメイト/ファンは狂喜乱舞。
そしてこの奇跡の一打の効能は絶大だった。
勢いづいたドジャーズはアスレチックスを破り、
ワールドシリーズの覇者となった。
このシリーズにおいてギブソンの出番はこの1打席のみ。
が、この活躍の印象のおかげもあってか
ギブソンは88年のシーズンMVPを獲得する事となった。

その後のギブソンは故障に苦しめられ、
ロイヤルズ~パイレーツ~古巣タイガースとチームを変え、
結局95年に現役を引退した。

通算1635試合 打率.268 255本塁打 870打点 284盗塁。
殿堂入りには程遠い通算成績だが
大舞台での勝負強さと件の『ザ・ホームラン』。
印象度においては堂々の殿堂選手といえよう。